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「美食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

美食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
冬の日」より 著者:梶井基次郎
で通り過ぎていた。そしていつかそれに気がついてみると、栄養や安静が彼に浸潤した、美食に対する嗜好《しこう》や安逸や怯懦《きょうだ》は、彼から生きていこうとする意....
慈悲」より 著者:岡本かの子
に一百六十歳近い長寿者がありました。皇室ではそれをよみせられ、召し上げられて飽衣美食でもてなしました。長寿者はたちまち死にました。粗食故に長寿して居た生命が、美....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
うと呑みこみますが、死んでいるものはどんなうまそうなものでも見向きもしないという美食家です。ここでは主に生きた鶏や山羊を食わせています。貴方は多分園長の死体のこ....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
っかけた好きな洋酒の酔いがまだ血管の中に残っているのかも知れない。 都会育ちの美食家の父娘は、夕飯の膳を一々|伊勢丹とかその他|洲崎界隈の料理屋から取り寄せた....
食魔」より 著者:岡本かの子
ちは彼を取巻のようにして瓢亭・俵やをはじめ市中の名料理へ飲食に連れて行った。彼は美食に事欠かぬのみならず、天稟から、料理の秘奥を感取った。 そうしているうち、....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いったそうです。しかし、日本に着いてからの四十年余りの間と云うものは、確かに美衣美食と高い教程でもって育まれていったのですから、外見だけでは、十分宮廷生活と申せ....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
、頭脳を養うには矢張資本の潤沢を要する。 ▲文人は競馬の馬のようなものだ。常に美食していないと忽ち衰えて了う。が、馬の方は遊戯的に愛撫して千金を費して飼育する....
異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
たとえ、一皿二フランの肉の料理でも、十分に食欲と味覚は満足させてくれる。 所謂美食に飽きた食通がうまいものを探すのは中流の料理屋に於てである。巴里の料理屋には....
時 処 人」より 著者:岸田国士
観光事業とやらの流行につれて、無理にでつちあげた「名物」である。 私は断じて「美食家」とはいえないし、まちがつても「食通」ではないから、「味覚」や「料理」につ....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
今日でも大問題になって居るまい、世人は食事の問題と云えば衛生上の事にあらざれば、美食の娯楽を満足せしむる目的に過ぎないように思うて居る、近頃は食事の問題も頗る旺....
迷信解」より 著者:井上円了
くしと思わば、犬神たちまちその人を悩まし病を起こさしむ。また、その家の者が、人の美食を見てこれを好むの念を生ずれば、犬神たちまちその人に取りつき、あるいはその食....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
て例の通りに待たされるのが常より一層待遠しかったが「こうして腹を空かして置くのが美食法の秘訣だ、」と、やがて持って来た大串の脂ッこい奴をペロペロと五皿平らげた。....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
は卵饂飩あるいはシナ料理を御馳走する者もある。 こういう風で三回あるいは四回の美食を日々に供しますので、その間にも茶と酒とは絶えず飲ませ、その飲食の間にはある....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
をはさむ。あたかもわが正月に松、竹、燈を用うるに同じ。当夕、眷属一同一席に集まり美食を設け、食後、自在に歓楽を尽くして深更に至る等、みなわが正月の風俗に異なるこ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
国に一百六十歳近い長寿者がありました。皇室ではそれを嘉せられ、召し上げられて飽衣美食でもてなしました。長寿者はたちまち死にました。粗食故に長寿していた生命が、美....