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群がる
「群がる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
群がるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
。おりから辻《つじ》を曲がった彼は、行く手の月の中に、二十と言わず三十と言わず、
群がる犬の数を尽くして、びょうびょうとほえ立てる声を聞いた。しかも、その中にただ....
「或る女」より 著者:有島武郎
飛んだ。そして車が、鶴屋《つるや》という町のかどの宿屋を曲がって、いつでも人馬の
群がるあの共同井戸のあたりを駆けぬける時、停車場の入り口の大戸をしめようとする駅....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
》りますのでな」 と遠慮がちに訴うるは、美人の膝枕せし老夫《おやじ》なり。馬は
群がる蠅《はえ》と虻《あぶ》との中に優々と水飲み、奴は木蔭《こかげ》の床几《しょ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
地上に映る女の影に吠えているばかりであった。 孱弱《かよわ》い女子《おなご》が
群がる犬に取り巻かれている。それが見ず識らずの人であっても見過ごすことは出来ない....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
夢幻の森 見よ今は スキーの下に 峠駅あり 高き屋根もつプラットホーム
群がる雪かき人夫 疲れし機関車のあえぎ そのあえぎさえ雪に吸われ 静けさ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
はずして被せてくれたのには感謝した、烏帽子をつけたようで景気が直った。」 「白く
群がる朝返りの中で、土手を下りた処だったな。その頭巾の紐をしめながらどこで覚えた....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
静かにうなずき合っていた。庭園の中央のこわれた噴水のほとりには、それを覆うように
群がる紫色の花をつけて、めざましい灌木が生えていた。花は空中に輝き、それが池水の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、私達は忽ちあの懐かしい鎌倉八幡宮の社前に着きました。巾の広い石段、丹塗の楼門、
群がる鳩の群、それからあの大きな瘤だらけの銀杏の老木……チラとこちらから覗いた光....
「狂女」より 著者:秋田滋
覆われて、手も動かさず、足も動かさず、命をただ自然に委せたのであろう。 そして
群がる狼の餌食になってしまったのだ。 やがて、鳥が狂女の敷いていた破れた蒲団の....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
た。そっと忍び出る小娘のようにおどおどしながら。彼女は灌木が大きな茸のように生え
群がる間を抜けて、鬱蒼とした雑木林の中に潜入した。出た処はケンウッドの森の一寸し....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
のごときものは、もはや、とるに足らぬつまらぬものであることが解る。船に乗って人の
群がる岸を離れてみよ。やがて岸だけしか見えなくなる。生きものはだんだん小さくなっ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
。小松原には、昼顔の花が一面に咲いて、渚の浪の千種の貝に飜るのが、彩色した胡蝶の
群がる風情。何とも言えない、と書いている下から、背負い重りのする荷は一歩ずつ重量....
「一日一筆」より 著者:岡本綺堂
一 五分間 用があって兜町の紅葉屋へ行く。株式仲買店である。午前十時頃、店は掻き廻されるような騒ぎで、そこらに
群がる男女の店員は一分間も静坐してはいられない。電話は間断なしにチリンチリンいう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
彼を叱責してきた。「名もなき雑兵のごとく、槍を振りまわす」がごとき、あるいは敵の
群がる地方へタカ狩りに出るがごときは、もっての外だというのである。女王もまた、怒....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
いた。僕は夜は「百本杭」の河岸を歩いたかどうかは覚えていない。が朝は何度もそこに
群がる釣師の連中を眺めに行った。O君は僕のこういうのを聞き、大川でも魚のつれたこ....