»
群り
「群り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
群りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
が、何、(窓に衝と寄る。) 侍女一 ああ、黒鮫が三百ばかり。 侍女二 取巻いて、
群りかかって。 侍女三 あれ、入道が口に銜えた。 公子 外道、外道、その女を返せ....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
云うものめく……頭だけ出して、ケラケラと笑って失せた。 何等の魔性ぞ。這奴等が
群り居た、土間の雨に、引※られた衣の綾を、驚破や、蹂躙られた美しい女かと見ると、....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
だろう。 しかも数が、そこへ来た五六十疋という、そればかりじゃない。後へ後へと
群り続いて、裏山の峰へ尾を曳いて、遥かに高い処から、赤い滝を落し懸けたのが、岩に....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
む、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめる材木の、その本末には、小さき白き苔、幾百ともなく
群り生いたり。 指して、それを、旧のわが家なる木戸の際に、路を蔽いて繁りたりし....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
ひたひたと裙の靡く、薄黒い、ものある影を、臆病のために嫌うでもなく、さればとて、
群り集る蚊の嘴を忍んでまで厭うほどこじれたのでもないが、鬱陶しさに、余り蚊帳を釣....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
か、とおっしゃるんですか。いや、それは…… 何だといって、六つずつ十二の煙が、
群りまとい這いまつわる、附木の硫黄は、火の車で、鉄の鍋の中に、豆府と菎蒻がぐらぐ....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
。 かくのごとく※悍無類の批評家の軍勢が一作いずるとみるやたちまち空をおおうて
群りくるありさまはものすごいばかりである。それが思い思いにあるいは目の玉をえぐり....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
街角には、たった一日の間に、千|本針の腹巻を通行の女人達に求める出征兵士の家族が
群りでて、街の形を、変えてしまった。だが其の腹巻の多くは、間に合わなかったのだっ....
「春」より 著者:岡本かの子
した花が群がり、四月下旬の午後になったばかりの精悍な太陽の光線が、斜めにその花の
群りの一部を截ち切っている。 京子は椿の枝の突端に出ている一つの花を睨んだ。右....
「エキゾチックな港街」より 著者:小野佐世男
そびえ、あちらの岡、こちらの山肌とまるでグリーンに白、赤い屋根、白血球と赤血球が
群り集ったような異国風景、星条旗がへんぽんとひるがえっている。地球上も時々大きな....
「ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
、続いて星ひろ子さんの日本舞踊、せっかくうまいところを見せようとするのにワアーと
群りくる酔女群スルリスルリと着衣をすべり取る。ゆで玉子のように裸にされて、舞台で....
「幽霊」より 著者:小野佐世男
の柔く盛り上っている所を棒でさぐると、南京玉ほどの土蜘蛛が、ガサガサと音を立てて
群り散った。こんな遊びに夢中になっている中に、やがて二日目の夜が訪れてきた。 ....
「小豆島」より 著者:黒島伝治
て来ていた。 百姓は、稲を刈り、麦を蒔きながら、自動車をとばし、又は、ぞろ/\
群り歩いて行く客を見ている。儲けるのは大阪商船と、宿屋や小商人だけである。寒霞渓....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
五六十両の金を引出して、逃げる支度をしている中に、門前には百姓が一杯黒山のように
群り寄り、大声を揚げて口々に名主も原|父子も此処え出ろ、打殺してしまえ、打殺して....
「新生」より 著者:島崎藤村
あった。未だ朝のうちのことで、施療を受けるための男や女の患者が入口の石の柱の側に
群り集っていた。
嫂の病室は、幾|棟《むね》かの建物に連なる長い病院風の廊下を....