群像[語句情報] » 群像

「群像〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

群像の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
白蛇の死」より 著者:海野十三
ポカッと起きているのは、厚い煉瓦塀をくりぬいた変電所の窓で、内部には瓦斯タンクの群像のような油入変圧器が、ウウウーンと単調な音を立てていた。真白な大理石の配電盤....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
り立ち換り、表通を流していった。 晴やかな笑声に裹まれていた一座は、急に沈黙の群像のように黙りこくって仕舞った。 下田家の奥座敷には、先刻とはまるで異った空....
地球盗難」より 著者:海野十三
うな怪異が彼等を待っていようなどとは、夢にも知らなかったのである。 櫟林は巨人群像のように、逞しい枝を張り、生々した梢を大空の方にグッと伸ばしていた。膝を没す....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
籬状に刈り込んだ、※や糸杉の象徴樹が並んでいた。なお、刈込垣の前方には、パルナス群像の噴泉があって、法水が近づくと、突如奇妙な音響を発して水煙を上げはじめた。 ....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
口三ヶ所、左の眼尻を深く射抜れた。 午後四時頃であろう。野崎の原頭、四条畷には群像の如き三十余騎の姿が、敵軍に遠く囲まれながら茫然として立ちすくんで居る。長蛇....
恐竜島」より 著者:海野十三
ならなかった。 三百六十度、どこを見まわしても海と空と積乱雲《せきらんうん》の群像《ぐんぞう》ばかりで、船影《ふなかげ》はおろか、島影一つ見えない。 熱帯の....
鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
な僧衣に身を固めた青鬼赤鬼およそ十四五匹が、臨終の貴人に対して合掌しているという群像だった。像はすべて、等身大の彫刻で、目もさめるような絵具がふんだんに使ってあ....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
瞬間から、私の眼は、室内に軍隊のように整列しているぴかぴかの人造人間のすばらしい群像に吸いつけられてしまったのだ。 なんというりっぱなモール博士の研究であろう....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
真盛りであった。 金博士の視線は、さっきから、飾窓の小棚にのせられてある洋酒の群像に釘づけになっている。いや、正しくいえば、その洋酒の壜にぶら下げられた値段札....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
ルミンの扉がはまっていた。その扉には、薄彫りの彫刻がしてあって、神武天皇御東征の群像が彫りつけてあった。これは、今大宇宙を天がけりいく、われら日本民族の噴行艇群....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
艦の探照灯が、とうとうわが潜水艦をさぐりあてたのである。 艦橋に立つ艦長以下の群像は、濃いかげに区切られて、くっきりと照らしだされた。――探照灯は、もう釘づけ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
九人、正面の高い壇を中心にして、或る者は右手を高くあげ、或る者は胸に腕をくんで、群像のように立っていた――が、一せいに、扉のあいた入口の方へふりかえった。 「ど....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
人の一群は、七人の向う側に立ち並んでいて、そのぎごちない身体つきは、神秘と荒廃の群像のように見えた。 もはや眼以外の部分も、生理的に光をうけつけなくなったもの....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
説の実践に脆くも失敗して行ったのである。彼等の才能の不足もさることながら、虚構の群像が描き出すロマンを人間の可能性の場としようという近代小説への手の努力も、兎や....
ストリップ修学旅行」より 著者:小野佐世男
って抵抗する。滑稽な逃げまどう姿。聖歌がどことなく鳴りひびくような女群のわきたつ群像は、さすがは舞踊芸術に生きる彼女達の自然ににじむ明朗さで、少しも不潔感も不快....