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義父
「義父〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
義父の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「倫敦塔」より 著者:夏目漱石
まい。またその薄命と無残の最後に同情の涙を濺《そそ》がぬ者はあるまい。ジェーンは
義父《ぎふ》と所天《おっと》の野心のために十八年の春秋《しゅんじゅう》を罪なくし....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
大学の友人たちから英雄のように迎えられるでしょう。旧弊な家風に反抗し、頑迷冷酷な
義父と戦い、自由を求めて再び大学へ帰って来た、真実の友、正義潔白の王子として接吻....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
と、或る戯詩の中で、彼はファニイの前に兜《かぶと》を脱いだ。 連子のロイドは、
義父と生活を共にしている間に、何時か自分も小説を書くことを覚え出した。此の青年も....
「明治美人伝」より 著者:長谷川時雨
師|伯知《はくち》である。夫には、日本帝国を背負っている自負の大勲位公爵を持ち、
義父に講談師伯知を持った貞子の運命は、明治期においても数奇なる美女の一人といわな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
の忘れたことのないあの若い植木職の声が朗々《ろうろう》とひびいてきたのです。
「
義父司馬先生の御霊《みたま》に、もの申す。生前お眼にかかる機会《おり》のなかった....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
後|何度もお伴をして猟に行ったが、岩烏を見つけるとソッと石を拾って追ってくれた、
義父が見ると気嫌を悪くするから。 人のいい優しい、そして勇気のある剛胆な、義理....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
ない。うっかりすると、この子のために再び鎌倉へ召し出されるハメになり、兄の一万も
義父の曾我もともに成敗をうけるようなことになりかねない。これはもう坊主にでもして....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
かない。主人の喜兵衛がその妻を失ってのち妻帯しないから、彼も同じようにしなければ
義父に義理が立たないような遠慮も必要だったのである。 重二郎の下に、一助(二十....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
起には、二重の負担ですもの。 あなたの心配ごとって簡単で分からないけど……。お
義父さまのこと、手足も口も利けない気味の悪いお祖母さまのこと、それから四、五年ま....
「郷介法師」より 著者:国枝史郎
貰い受けた時、ある有名な人相見が、親殺しの相があると喝破した。それを恐れて郷介の
義父ははるばる備前まで遣って来て、光善寺へ郷介を捨たものである。 子を捨るよう....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
十郎は、自分に対していやらしい言葉や、いやらしい所業に及ばなかった。勿論陣十郎は
義父の敵、討って取らねばならぬ男、とはいえ
義父を討ったのも、その一半は自分に対し....
「一世お鯉」より 著者:長谷川時雨
あって、生みの母の縁から深く附合《つきあ》うようになったところ、なにしろその子の
義父《ちち》だというので、何かと家の事へも手を出したがるし口も出すのです。それや....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
がさきことさだ》といふ。旧富山藩の士|林太仲《はやしたちゅう》に養はれ幼き時より
義父に就《つ》きて仏蘭西《フランス》語を学びぬ。維新の際福井藩の貢進生《こうしん....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
樽新聞社のM氏と連れ立って帰って来た。二人とも相当に酔っている。氏は三木羅風君の
義父さんだと紹介される。そこで羅風君の話が出る。ついこの出発の前夜に私たちが逢っ....
「雨」より 著者:織田作之助
めて明瞭な姿をとって彼に現われて来た。彼は自分の周囲、就中雇人、そしてそれ以上に
義父の安二郎に敵意を感じた。自分を非常にみじめだと誇張し、自分を卑下する気持にな....