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義眼
「義眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
義眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
袋《かたい》を読んでいることに外ならなかった。又彼等の或ものは――それは左の眼に
義眼をした国語漢文の教師だった。この教師は彼の武芸や競技に興味のないことを喜ばな....
「河童」より 著者:芥川竜之介
彼女は書肆《しょし》ラック君の夫人となれり。
問 彼女はいまだ不幸にもラックの
義眼なるを知らざるなるべし。予が子は如何?
答 国立孤児院にありと聞けり。
....
「或る女」より 著者:有島武郎
顔を合わせて、互いに快く船の中での思い出し話などをした。岡の目の上には葉子の目が
義眼《いれめ》されていた。葉子のよしと見るものは岡もよしと見た。葉子の憎むものは....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一つの計画あり、まず、その階梯を踏まんがため、眼科出の杏丸に命じて、幹枝の左眼に
義眼手術を施せり。しかして、その手術中彼を強要して、生ける螺旋菌(黴毒菌)を眼窩....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
た四十位の女が出て来た。片一方の眼がぎらぎら光って、じっと横の方を凝視していた。
義眼らしかった。葉書を見せると、板の間の椅子へ坐らせて、女は押入の戸をあけて、そ....
「間諜座事件」より 著者:海野十三
線は近づいたぞ」 「かねて探していた敵の副司令が判ったというわけだな」 「ウン、
義眼を入れたレビュー・ガールとは、うまく化けやがった」 「だが間諜座へ入ることは....
「痴人の復讐」より 著者:小酒井不木
かは諸君の想像に任せます。然し、S教諭は捨てて置けば両眼を失うということ、巧みに
義眼を嵌めれば、普通の眼と殆ど見分けがつかぬことなどを懇々説諭して、なおその言葉....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
がつまみあげられていた。卵大ではあるが、卵ではなく、一方に黒い斑点がついていた。
義眼であった。老人の右の目にはいっていた入れ目であった。 「さ。これをキヨシ君に....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
「はい、なにごとでございますか、お姫さま」 「あのう、ゴールド大使の左の眼が、
義眼だということを、あなたは知っているの」 トマト姫は、とつぜん、意外なること....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
の農夫が、寝しなに自分の義歯をはずして、枕もとのコップの水に浸しておいた。すべて
義眼や義歯をはめている人たちは、よくこうしたことをするものなのだ。 その夜はひ....
「古木」より 著者:豊島与志雄
放射状に生えてる顔盤の中の真丸な眼が、生きてるように輝いていました。製作者自慢の
義眼でした。 それを貰うと、幹夫は家中を駆けまわって喜びました。 椎の木の梟....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
部分です。成人後の両眼失明なら遠路の一人歩きはできそうもないから、片目の失明とか
義眼ぐらいは考えられるかも知れない。ちょッとした目立つ特徴と申せばいろいろと考え....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
物に相違なかった。長椅子には毛皮がかけられていた。それは見事な虎の皮で、玻璃製の
義眼が燈火に反射し、キラキラ光る有様は、生ける虎の眼そっくりであった。毛皮の上に....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
学は御免を蒙って不貞寝の床に「ライフ」誌を持ち込んで、ジャン・ポール・サルトルの
義眼めいた顔の近影を眺めている姿は、一体いかなる不逞なドラ猫に見えるであろうか。....
「頭蓋骨の秘密」より 著者:小酒井不木
帰りました。 「兄さん、いいものを見せよう」 こう言って取りだしたのは、四つの
義眼と一箱の短く切った頭髪でした。 「何にするんだい?」 「これで眼と頭の毛をこ....