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「義賊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

義賊の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
それが大名屋敷へばかり忍び込んで、盗んだ金は窮民へ施したというところから、当時は義賊という妙な名前が、一般にこの盗人《ぬすびと》の代名詞になって、どこでも盛んに....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
に忍術で、三で騒がす、四に白浪の、五右衛門と噂に高い、洛中洛外かくれもなき天下の義賊、石川五右衛門とは俺のことだ」 と、名乗った。 が、佐助は、石川五右衛門....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ね?」 と、先棒が、 「何しろ闇太郎といっちゃあ、大した評判の人ですよ。いわば義賊とでもいうのでしょうか――大名、豪家、御旗本やら、御用達《ごようたし》、――....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
しては一夜限り或は二日続きぐらいのもの、其の内で永く続きましたのが新皿屋敷、下谷義賊の隠家、かさねヶ淵の三種などでございます。それより素話になりましてからは沢の....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
な?」ふと主人はこんな事をいった。 「つかまりそうもありませんな」 「彼は一個の義賊というので、お上の方でもお目零しをなされ、つかまえないのではありますまいかな....
奉行と人相学」より 著者:菊池寛
た。越前が、長吉の調書を見たとき、「此者は本所緑町に住まっているが、町民の間では義賊と云う噂がある。同人から、金銭を恵まれたる貧民は、数限りもないほどである」と....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
察するものもあるのだった。岩田のKという泥棒は、この常南地方の「出身」で伝説的な義賊である。鼠小僧の再来とまでうたわれたとかいう話が今もって残っている。だが、そ....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
かし、その為に泣きの涙で自殺まで思い込む呉服問屋の伜清二郎に義憤を感じた腰元実は義賊、弁天お蝶(筑波澄子扮する)が、小間物売女に化けて、重五郎の家に現れ、やくざ....
日和下駄」より 著者:永井荷風
の頸《くび》に涎掛《よだれかけ》をかけてあげる人たちは娘を芸者に売るかも知れぬ。義賊になるかも知れぬ。無尽《むじん》や富籤《とみくじ》の僥倖《ぎょうこう》のみを....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
沢庵は、ぽいと抛るようにいって、 「然らば、おまえのやっている盗みの種類は、義賊というようなものなのか。支那の小説などによくあるな。剣侠とか、侠盗とかいう怪....
治郎吉格子」より 著者:吉川英治
をもってしまった。女と、ばくちの費い残りを、貧民街に少しばかり撒くと、たちまち、義賊という名が、鼠の肩書に、位階のように名づけられても来るし……。 だが、その....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
」 と、仁太郎は、ちょっと、知識を誇って、 「――だが、自雷也は偉い、あれは、義賊だからな。だから、日本まで名が伝わった。泥棒でも、何かしておかないと、往生際....
耳香水」より 著者:大倉燁子
応しかった。どうもあれが鼠色の男だろう。だろうというのがいつかそうだとなり、彼は義賊だと云い触す者も出来て、正体の分らない人に人気が出ましてね、一方では恐怖れ、....
深夜の客」より 著者:大倉燁子
を押したんでしょう?」 「うっかりと間違えたんじゃないか。――何しろ、あの有名な義賊尾越千造が脱獄したというので、その筋じゃすっかり神経を尖らしてるからな。見給....