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羽化
「羽化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
羽化の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「職工と微笑」より 著者:松永延造
讐でも、やはりもっと柔しくしてやらねばいけない。復讐を復讐でないものに変化させ、
羽化させねばならない。毛虫は美しい蝶とならねばならない。之が昔からの言葉である。....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
れども惜しい事に本文は挿画ほど雅《が》に行かなかった。中には欲の塊《かたまり》が
羽化《うか》したような俗な仙人もあった。それでも読んで行くうちには多少気に入った....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
果は、単に阿片的なものに止まらず、殆んど青酸加里的性質を持っているので、単に魂を
羽化登仙させるだけではなく、生命そのものを昇天させて了うのだが、この点は後に解説....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
、トテモ仕様のない泥酔漢の貧乏|老爺なんだ。そいつが吾輩と同様|独身者の晩酌で、
羽化登仙しかけているところへ、友吉の屍体を担ぎ込んで、何でもいいから黙って死亡診....
「謡曲黒白談」より 著者:夢野久作
、悠々として「四条五条の橋の上」に遊び、「愛鷹山や富士の高峰」の上はるかなる国に
羽化登仙し去るのである。 南無阿弥陀仏もよかろう。アーメンも面白かろう。天理教....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
は、そのプロパーな言語学的又歴史学的桎梏から脱して、正に哲学そのものの方法にまで
羽化登仙するのである。文献学にとってこれ以上の名誉は又とあるまい。と同時に、これ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
れども。 あれがもし、鳥にでも攫われたら、思う人は虚空にあり、と信じて、夫人は
羽化して飛ぶであろうか。いやいや羊が食うまでも、角兵衛は再び引返してその音信は伝....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
んであったであろう。 私たちは陶然としてしまった。もう少し酒興が深めばいよいよ
羽化登仙というところで、サラリと正面の襖が開いて、コツコツと杖こそ突かぬが、ぬう....