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「羽振り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

羽振りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ともあると、玉藻は慰めるように言った。そういう人間が多いだけに、いったんこっちの羽振りがよくなれば、昨日のかたきは又すぐ今日の味方に早変わりをするのである。正直....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、柳吉に意見めいた口を利いた。おきんの亭主《ていしゅ》はかつて北浜《きたはま》で羽振りが良くおきんを落籍《ひか》して死んだ女房の後釜に据《す》えた途端に没落《ぼ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の本妻は間もなく病死したので、妾のお関が自然に本妻同様の位置を占めて、屋敷内でも羽振りが好くなった。笹川の店が大きくなったのも娘のお蔭であるという世間の噂も、ま....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。松村は相当に学問もあり、殊に蘭学が出来たので、外国掛の方へ出仕して、ちょっと羽振りの好い方であった。その妹のお道というのは、四年前に小石川西江戸川端の小幡伊....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
れている。 大久保相模守|忠隣は相州小田原の城主で、徳川家の譜代大名のうちでも羽振りのよい一人であったが、一朝にしてその家は取潰されてしまった。その原因は明ら....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
えに成って入らっしゃるが、前殿さまの御秘蔵の若様でありましたから、御次男でも中々羽振りは宜うございますが、誠に武張ったお方ゆえ武芸に達しておられますので、馬を能....
正義と微笑」より 著者:太宰治
ているものと思ったらしく、さらに調子づいて、「鈴岡さんは、それぁ、いまこそ少しは羽振りがいいようだけど、元をただせば、お前たちのお父さんの家来じゃないか。私ゃ、....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
させた。その家の老主人は、いささか由緒のある公卿の血筋を受けて、むかしはなかなか羽振りのよかった人であるが、名誉心が強すぎて、なおその上の出世を望み、附合いを派....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
気をさまそうと、ぽつねんと亭にいたのだ。 (セルカークの奴、この辺じゃなかなかの羽振りじゃないか。マア情報省の機関区長どころだろうが……、どうして領事くらいは敵....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
の自分の持家に住んでいること、曰く、それはホテルから遠くないこと、曰く、なかなか羽振りのいいむしろ豪勢な暮しぶりで、自家用の馬車もあるし、この町で誰ひとり彼を知....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
すぐに道修町の薬種問屋へ雇われたが、無気力な奉公づとめに嫌気がさして、当時大阪で羽振りを利かしていた政商五代友厚の弘成館へ、書生に使うてくれと伝手を求めて頼みこ....
歌麿懺悔」より 著者:邦枝完二
とへは各版元からの註文が殺到して、当時売れっ子の豊国や英山などを、遥かに凌駕する羽振りを見せていた。 きょうもきょうとて、歌麿は起きると間もなく、朝帰りの威勢....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
なった。こういう経歴の人間であるだけに、二股侍というではないが、自分の主人以外、羽振りのよい諸大名にこすり付いて何かの利徳を得ようとする卑しい心がある。彼は山名....
握り寿司の名人」より 著者:北大路魯山人
は売物にならなかった御面相が、口紅、爪紅、ハイヒールで堂々と寿司通仲間に侵入し、羽振りを利かす時代になってしまった。昔ならほとんど見られなかった風景である。この....
美人鷹匠」より 著者:大倉燁子
日違いで、花もまた男児を産みました。同じ父君を持ちながら、一方は少壮弁護士として羽振りのよい松波男爵の御嫡男達也様、やがて立派なお家を御相続遊ばされる輝かしいお....