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翫味
「翫味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
翫味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片信」より 著者:有島武郎
して、ある観念と覚悟とを与えた点にある……資本王国の大学でも卒業した階級の人々が
翫味《がんみ》して自分たちの立場に対して観念の眼を閉じるためであるという点におい....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
のマルクスの功績は、マルクス同様資本王国の建設に成る大学でも卒業した階級の人々が
翫味《がんみ》して自分たちの立場に対して観念の眼を閉じるためであるという点におい....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
な気がして腹立たしくもあり、また瘋癲病《ふうてんびょう》者の文章をさほど心労して
翫味《がんみ》したかと思うと恥ずかしくもあり、最後に狂人の作にこれほど感服する以....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
解多きに坐するのみ。この誤解たるや、あるいはその末流の徒、真にいまだ先覚者の説を
翫味せずしてこれを誤解|敷衍するあり、あるいはその反対の人あえて主唱者の意を※酌....
「能とは何か」より 著者:夢野久作
終始一貫した努力を払って……。 能楽成立以前 能の曲の内容をよくよく
翫味してみると、実に雑然として混沌たるものがある。乞食歌もあれば、お経文もある。....
「人生の共感」より 著者:宮本百合子
での区分けが枝葉であるということも、作品の持ち味だとか、境地だとか、そんなものの
翫味に散文としてこの小説の精髄はないと云われることも、それとして聞けば十分うなず....
「文学における古いもの・新しいもの」より 著者:宮本百合子
ずつながらにしろあるのが当然であるニュアンスの相異などを、強調したその点において
翫味されなければならない。そこに独創も試みられる結果となり、作品はますます末梢的....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
う問題は、今更、お雪ちゃんから提出されるまでもなく、世間では、もう充分に、研究も
翫味《がんみ》もしつくされていて、今は不言実行の時代に入っているんだよ――まあ早....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
るのはかの無学者――他日充分の準備教育を施した暁には、われ等の唱道する所を、咀嚼
翫味するに至るであろうが、当分まだわれ等の仕事とは没交渉である。 更にわれ等が....
「『新訳源氏物語』初版の序」より 著者:上田敏
くては、十分に古文の妙を味えない。 古文の絶妙なる一部分を詞華集に収めて、研究
翫味する時は、原文のほうが好かろう。しかし全体としてその豊満なる美を享楽せんとす....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いてしまわなければ落付けるものでない、とおっしゃったこと。耳と心にのこり、面白く
翫味《がんみ》しています。この言葉の内に含蓄されているものはなかなか一通りではな....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
て以来、我らは発句を習熟することが文章上達の捷径なりと知り、その後やや心をとめて
翫味するようになった。 二 余は一本の傘を思います。それはどうしたのか....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
読書を好み和漢の書何くれとなくあさりしも字句の間には眼もとめず、ただ大体の趣味を
翫味《がんみ》して満足したりしがごとし。俳句に古語古事を用いること、蕪村集のごと....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
訳筆の価値とを確認した読者は崑山の明珠を迎うる如くに珍重愛惜し、細さに一字一句を
翫味研究して盛んに嘖々した。が、普通読者間にはやはり豚に真珠であって、当時にあっ....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
、はるか彼方の小山の麓に近い緑の樹々のあたりを遠望している。清新な清々しい新緑を
翫味すべき希望を抱いて窓辺に立っているのである。しかし、この辺りの天候はあくまで....