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老
「老〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
れぞれ額縁《がくぶち》にはいって懸《かか》っている。が、それ等の男女の顔もいつか
老人に変ってしまう。しかしその中にたった一枚、フロック・コオトに勲章をつけた、顋....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
「何しろこの頃《ごろ》は油断がならない。和田《わだ》さえ芸者を知っているんだから。」
藤井《ふじい》と云う弁護士は、
老酒《ラオチュ》の盃《さかずき》を干《ほ》してから、大仰《おおぎょう》に一同の顔....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
まで突き倒した。その仕合には、越中守《えっちゅうのかみ》綱利《つなとし》自身も、
老職一同と共に臨んでいたが、余り甚太夫の槍が見事なので、さらに剣術の仕合をも所望....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
立てきった障子《しょうじ》にはうららかな日の光がさして、嵯峨《さが》たる
老木の梅の影が、何間《なんげん》かの明《あかる》みを、右の端から左の端まで画の如....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
く埋められてしまったが、この二つの渡しだけは、同じような底の浅い舟に、同じような
老人の船頭をのせて、岸の柳の葉のように青い河の水を、今も変わりなく日に幾度か横ぎ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
の名前は常子《つねこ》である。これも生憎《あいにく》恋愛結婚ではない。ある親戚の
老人夫婦に仲人《なこうど》を頼んだ媒妁《ばいしゃく》結婚である。常子は美人と言う....
「運」より 著者:芥川竜之介
に、こう答えた。が、これは眼の小さい、鼻の上を向いた、どこかひょうきんな所のある
老人で、顔つきにも容子《ようす》にも、悪気らしいものは、微塵《みじん》もない。着....
「狂女」より 著者:秋田滋
なければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱり出すようなことはしなかった。 年
老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、小さな....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
まったのだ。私は突然自分の残生のほうを見ようとして振返ってみた。私は醜い、淋しい
老年と、間近に迫っている
老衰とを見た。そして、すべてはそれで終りなのだ、それで何....
「初雪」より 著者:秋田滋
良人は彼女をノルマンディーにあるその屋敷へ連れて行った。それは、鬱蒼と茂った
老樹にぐるりを囲まれた、石造りの宏壮な建物だった。正面には、見上げるような樅の木....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
に、往来の人はいぶかしみ、しばしば見かえりて何か詞をかけんとして思いかえして行く
老人あり、振りかえりながら「死して再び花は咲かず」と俚歌を低声に唄うて暗に死をと....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ェームスは死んだ。後家さんのマーガレットは下宿人を置いて暮しを立てておったが、年
老いてからは子供のミケルに仕送りをしてもらい、一八三八年に歿くなった。 かよう....
「寡婦」より 著者:秋田滋
この遊びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未婚の女でとおして来た年
老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ものは、ヘンドリック・ハドソン船長がこの土地を発見するよりも前に、インディアンの
老酋長で、種族の予言者か妖術師であった男が、ここで祈祷をおこなったのだとも言って....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
出来たのであるが、ジャンは、芸を仕込まれた牝山羊や軽業をする犬にとり囲まれて、年
老った道化師の膝にのって、声をたててキヤッキヤッ笑っていた。 それから三日たっ....