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老い
「老い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
そうして、自分もいつか、髪が白《しら》みしわがよって、ついには腰のまがるような、
老いの身になってしまった。都も昔の都でなければ、自分も昔の自分でない。
その上....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
使 助けてくれえ! (消え失せる)
四
数十年|後《ご》、
老いたる女|乞食《こじき》二人、枯芒《かれすすき》の原に話している。一人は小野の....
「女」より 著者:芥川竜之介
いたのは、あの白い広間のまん中に、食さえ断《た》って横《よこた》わっている、今は
老い果てた母蜘蛛であった。蜘蛛は糸の敷物の下に、いつの間にか蠢《うごめ》き出した....
「老年」より 著者:芥川竜之介
じ》の村雨《むらさめ》」のゆかたで喉をきかせた時だったと云うが、この頃はめっきり
老いこんで、すきな歌沢もめったに謡《うた》わなくなったし、一頃凝った鶯もいつの間....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
らの民に一臂《いちび》の労を借してやった事はあっても、それらの民の一人となって、
老いようと思った事は一度もなかった。「素戔嗚《すさのお》よ。お前は何を探している....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ているね?」
「別にどうも思ってはいません。まあ、偉い軍人でしょう。」
青年は
老いた父の眼に、晩酌《ばんしゃく》の酔《よい》を感じていた。
「それは偉い軍人だ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
その時の御姿は、――そうです。世間に伝わっているのは、「童《わらわ》かとすれば年
老いてその貌《かお》にあらず、法師かと思えばまた髪は空《そら》ざまに生《お》い上....
「或る女」より 著者:有島武郎
に後ろを向けて(おそらくそれは悲しみからばかりではなかったろう。その若者の挙動が
老いた心をひしいだに違いない)手ぬぐいをしっかりと両眼にあてている乳母《うば》も....
「或る女」より 著者:有島武郎
は急に三つも四つも若やいだ。二十六の春を迎えた葉子はそのころの女としてはそろそろ
老いの徴候をも見せるはずなのに、葉子は一つだけ年を若く取ったようだった。
ある....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
蔭へまわってそっと泪を拭いて長太息を漏らしているのでございました。 『いつまでも
老いたる両親に苦労をかけて、自分は何んという親不孝者であろう。いっそのことすべて....
「狂女」より 著者:秋田滋
なければ、誰も彼女をその蒲団のなかから引ッぱり出すようなことはしなかった。 年
老いた下婢がひとり彼女のそばに附いていて、その女が時折り飲物をのませたり、小さな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ェームスは死んだ。後家さんのマーガレットは下宿人を置いて暮しを立てておったが、年
老いてからは子供のミケルに仕送りをしてもらい、一八三八年に歿くなった。 かよう....
「寡婦」より 著者:秋田滋
この遊びももう止めにしようとしていた時である、先刻から、未婚の女でとおして来た年
老いた伯母の手を弄ぶともなく弄んでいた一人の若い女が、金色の頭髪でこしらえた小さ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のだった。 もうひとつ、こわいながらも彼のたのしみだったことは、冬の夜ながを年
老いたオランダ人の女房連とすごし、彼女たちが炉ばたで糸をつむぎ、焼き林檎が炉にな....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
自分の兄にも似ていた。彼がおぼえている、まだ若かった頃の父親の顔にも似ていた。年
老いた夫婦は胸が一ぱいになって、もう口が利けなかった。三人連れの男女が降りて来て....