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「老いる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老いるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
みと感ぜられるなつかしい季節の一つだ。この季節になると長く地の上を領していた冬が老いる。――北風も、雪も、囲炉裏も、綿入れも、雪鞋も、等しく老いる。一片の雲のた....
一九四六年の文壇」より 著者:宮本百合子
心に甦ってきた。そして自分の書く態度について反省をしている。つまり四十歳の人間が老いるということは何だ。何事であろう。自分はもう生きる力をどこかへなくしてしまっ....
婦人作家」より 著者:宮本百合子
しとすりかえの甚だしさに対して、どんな内心の憤りを表現しようとしているだろうか。老いるに早い日本の文学者たちが、六十歳にも近づけば、谷崎潤一郎の「細雪」のように....
沈黙の塔」より 著者:森鴎外
、あの若い時に廃人同様になって、おとなしく世を送ったハルトマンや、大学教授の職に老いるヴントは別として、ショオペンハウエルは母親と義絶して、政府の信任している大....
若き僚友に」より 著者:宮本百合子
会生活のどこにもありがちなことです。若い世代に対する糺弾者であり、われわれ自身の老いることを欲しない良心の蹂躙者である権力に向って、わたしは心から次の質問をしま....
現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
の構造上及び歴史上の出発点でなければならぬような場合が、特に哲学の歴史が老いれば老いる程、多くなるのは事実である。併し哲学がイデオロギーである限り――そして茲で....
死刑の前」より 著者:幸徳秋水
六十にして耳したがい、七十にして心の欲するところにしたがい矩をこえず、といった。老いるにしたがって、ますます識高く、徳がすすんだのである。 このように非凡の健....
姨捨」より 著者:堀辰雄
の姪たちを連れて来て貰いたいと云うのだった。女はもう自分だけなら、このまま静かに老いるのも好いと考えていた。それ程女は身も心も疲れ切っていた。しかし、漸《ようや....
「美しかれ、悲しかれ」」より 著者:堀辰雄
入れること、即ち何処から何処まで彼女自身であって、いま若くあることも、又いつか年老いることも勝手であるところの、一人の自由な女性を受け入れることであると考えるよ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るのが?」 「私たちが愛し合った土地から。」 「どこへ向かって?」 「私たちが年老いる所へ。」 「僕たちが二人で暮らす所へ。」 「けれどもうあんなに愛し合えはし....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
し出し、過ぎゆくものをとらえんとする。各事変は道の曲がり角である。そして突然人は老いる。ある動揺を感ずる。すべては暗黒となる。暗い戸が開かれているのがはっきりと....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
上の天才は老年もこれを捕うるを得ず、ダンテやミケランゼロのごとき人々にとっては、老いることはすなわち生長することであるのに、ハンニバルやボナパルトのごとき人々に....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の幽霊に着物を着せて、コドリュク・デュクロスを作り出している。 暴君はほとんど老いることなしとプルタルコスは言っているけれど、ローマはドミチアヌス皇帝の下にお....
神楽坂」より 著者:矢田津世子
いうて、字を書いて洟をかんで、それを火鉢で乾してから不浄へ用いる。こんな仕来りが老いるにつれて嵩じてくる。そして、人はよく爺さんの家に女中のいるのを奇異の眼でみ....
郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
雲が浮《うか》び、鳥は高く飛んでるけれども、時間は流れて人を待たず、自分は次第に老いるばかりになってしまったという咏嘆《えいたん》である。「何で年よる」という言....