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「老僕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老僕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の母」より 著者:堺利彦
話して聞かせたところに依ると、私の幼い頃、キジという猫がいて、それが若様に対する老僕と言ったような格で、一度私の手にかかると、まるで死んだようになって、叩かれよ....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
はご病気と見える。まずまず座敷へお這入りなされて暫くご安臥なさりませ」 純八は老僕に手伝わせ、急いで褥を設けると、老僧を中へ舁き入れたが、是ぞ本条純八をして、....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
蔭大藏は帰りました。其の後渡邊織江が同年の三月五日に一人の娘を連れて、喜六という老僕に供をさせて、飛鳥山へまいりました。尤も花見ではない、初桜故余り人は出ません....
空襲下の日本」より 著者:海野十三
中心地帯だ。そこで、こんな配置が出来ているというわけさ」 そのとき、奥の間から老僕が、腰に吊るした手拭をブラブラさせながら、部屋へ飛びこんできた。 「ああ、大....
富岡先生」より 著者:国木田独歩
と名け、近郷の青年七八名を集めて、漢学の教授をしていた、一人の末子を対手に一人の老僕に家事を任かして。 この一人の末子は梅子という未だ六七の頃から珍らしい容貌....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
度も何度もあります。私の父も、母も、それから私の手元に召使っていた、忠実な一人の老僕なども、私が岩屋に居る時に前後して歿しまして、その都度私はこちらから、見舞に....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に想像さるるが可い。 小一に仮装したのは、この山の麓に、井菊屋の畠の畑つくりの老僕と日頃懇意な、一人棲の堂守であった。 大正十四(一九二五)年三月....
」より 著者:国木田独歩
詩人は朝夕にこの庭を楽しみて暮らしき。 ある年の冬の初め、この庭の主人は一人の老僕と、朝な朝な箒執りて落ち葉はき集め、これを流れ岸の七個所に積み、積みたるまま....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
と武士は、駕籠の横の草の上へ腰をおろし、※み箱を膝の上へのせている、忠実らしい老僕へ云った。 「今夜はここの温泉宿へ泊まるのじゃ。そちも皺のばしが出来るぞ」 ....
桜の園」より 著者:神西清
ドフ(セミョーン・パンテレーエヴィチ) 執事 ドゥニャーシャ 小間使 フィールス老僕、八十七歳 ヤーシャ 若い従僕 浮浪人 駅長 郵便局の官吏 ほかに客たち、召....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いたが、広い部屋は、それだけでは暖まらないのであろう。 と、横手の襖が開いて、老僕がはいって来、新しい酒を置き無言で立ち去った。浪人たちは、ちょっと居住居を直....
剣侠」より 著者:国枝史郎
」 月光の圏内から遁れ出て、二人は闇に消えてしまった。 小間使に下女に老婆に老僕に若党の五人を召使に持ち、広い庭を持った立派な屋敷に、気儘に生活ている浪之助....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
なり。 その年|閏五月五日、咸臨丸は無事に帰朝し、艦の浦賀に達するや、予が家の老僕迎に来りし時、先生|老僕に向い、吾輩留守中江戸において何か珍事はなきやと。老....
迷信解」より 著者:井上円了
維新の後は、一時遊覧の場所となりたることありたり。その楼を守るために、一、二人の老僕つねにこれに住せり。ある日、紳士五、六人、酒肴を携えきたり楼を借りて終日歓を....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
鶴は不愛想に断った。それでもう誰も彼を関いつけるものはなくなった。ただ一人実家の老僕の七兵衛だけがときどき食べものを運んで来た。慧鶴はそれで饑を凌ぎながら胆太く....