老兵[語句情報] »
老兵
「老兵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老兵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鉄面皮」より 著者:太宰治
の酒を飲みながらしみじみ味った事である。操作きわめて拙劣の、小心翼々の三十五歳の
老兵が、分会の模範としてほめられた事は、いかにも、なんとしても心苦しく、さすがの....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
柔かい草をよろこんで眠ったら翌日体がきかないほど湿気をうけ、石の堅いところに臥た
老兵は体がしゃんとしていた、とありました。ハハアと思ったことを思いおこしました。....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
兵隊が、松葉杖にすがって立っていました。そのひげは白いというより赤いほうで、この
老兵はほとんど、あたまが地面につかないばかりにおじぎをして、お年よりの奥さまに、....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人物だとは思えなかった。温和な大男で、頭には黒い丸帽をかぶり、白い仕事服をつけ、
老兵士みたいな灰色の口|髭《ひげ》を生やし、赤筋の立った薄青いぼんやりした眼をし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にはいるもので、禿鷹類に属するものである。村に引退しているボナパルト派の人のいい
老兵士らが数人、その鳥を熱心にながめていた。その三色の記章の目は、この動物小屋の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
その上、もしどちらも至ってまじめであり善良である場合には、およそ世の中に老牧師と
老兵士とほど、容易に理解し合い容易に融合し合うものはない。根本においては彼らは同....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の楔を持たした方がいいだろう。」
さてその夜、午前二時に、番兵が交代になって、
老兵士だったのが新兵に代わった。それから間もなく、犬を連れた男が見回ってきたが、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
とな木立ちは微風に波打っていた。実にそれは光り輝いた光景であった。近くの兵営の一
老兵士は、鉄門から園の中をのぞいて言った、「正装した春だ。」
自然はすべて朝食....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
ルの大きい中庭に面していた。その中庭は人でいっぱいだった。二列に立ちならんでいる
老兵らが、その人ごみのまんなかに、中庭を横ぎって、狭い通路をかろうじてあけていた....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
用意を始めて、犬たちに着物を着せかえてやり、ドルスの髪にくしを入れてやる。カピが
老兵の役をやっているときは、目の上に包帯をしてやる。最後にいやがるジョリクールに....
「ヴェルダン」より 著者:野上豊一郎
え、銃剣といっしょに鉄兜やガス・マスクを枕もとに置いている。その時の事を案内者の
老兵士が私たちを導いて話して聞かした。その頃のフランス軍はひどく強かったものらし....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
先ず、青野季吉とか正宗白鳥とかの、自然主義時代からの文学界のうつり変りを見て来た
老兵たちがあります。宇野浩二などもその一人でしょう。みんな、ネレた眼を持っていま....
「抵抗のよりどころ」より 著者:三好十郎
そのまえに、私が戦争中にその目撃者からきいた国民党政権下の中共軍パルチザン部隊の
老兵士の話を思いだしてみます。 彼はそのとき、すでに十年もパルチザン戦に参加し....
「三国志」より 著者:吉川英治
難いなどと、泣き面をする士卒があるかっ」 そして、彼自身、下知にかかった。傷兵
老兵はみな後陣へ引かせ、屈強な壮士ばかりを前に出して、附近の山林を伐って橋を架け....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
戦勝の即興歌は、失礼ですが、大変つまらないと思います、が、「ナントか、ナンとか、
老兵クリイクわたる」というような歌は、実にいいと思いますけれど、……」と云うと、....