老功[語句情報] »
老功
「老功〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老功の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
。――二人は、各々、自説を固守して、極力|論駁《ろんばく》を試みた。
すると、
老功な山崎が、両説とも、至極道理がある。が、まず、一応、銀を用いて見て、それでも....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
秀次などに向って「昨日の盛政の戦の仕様に不審を抱いて今日敵陣を窺って来たが、流石
老功の勝家、此処で合戦の月日を延し、其間に美濃伊勢両国に於て、信孝、一益等をして....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
て仕舞います」何の手掛も無き事を僅か一日に足らぬ間に早や斯くまでも調べ上しは流石
老功の探偵と云う可し、荻沢への説明終りて又も警察署を出て行く、其門前にて「イヨ谷....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
りもあって、贅沢はないが不自由もない住居だ。翁は此処に三男余作君、牧場創業以来の
老功片山八重蔵君夫婦、片山夫人の弟にして在郷軍人たる田辺新之助君、及び其病妹と共....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
母親は見ぬ風《ふり》をして見落しなく見ておくから、歯癢《はが》ゆくてたまらん。
老功の者の眼から観れば、年若の者のする事は、総てしだらなく、手緩《てぬ》るくて更....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
方一手の為に全軍の勝となった、という感状を政宗から受けた程の勇者である。戦場には
老功、謀略も無きにあらぬ中々の人物で、これも早くから信長秀吉の眼の近くに居たら一....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はいらないものじゃ、五千の人数を持ちさえすれば何事でも出来るものだわいと言って、
老功の勇士に舌を振わせたのは僅かに十三歳の時のことであった、後年名将となる人は異....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
が、またおてんたらを言いました、 「直さんに会っちゃかなわない」 しかしまた、
老功なる、みその浦なめ六は心配しました。 「それはそうとして、この十三樽の大根お....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
の裏長屋に居たそれだと謂って引渡された。 田舎は厭だと駄々を捏ねるのを、守膳が
老功で宥め賺し、道中土を蹈まさず、動殿のお湯殿子調姫という扱いで、中仙道は近道だ....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
飲を下げたのであろう。 3 気を奪われた浪人組、互いに顔を見合わせたが、そこは
老功の与左衛門である。けっく幸いと考えた。 「こいつはいっそ任せてしまえ」 そ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
ました。」 記念ながら 十四 二ツ三ツ話の口が開けると
老功の七兵衛ちっとも透さず、 「何しろ娑婆へ帰ってまず目出度、そこで嬰児は名は何....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
せん。それなら打明けて僕らに相談なさい、女の事にかけては僕らの方が貴君よりよほど
老功ですよ」大原「なるほど、それに違いない。ナニね、深い野心がある訳《わけ》でな....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
せん。何となれば娘の時代にはまだ人を択り出すまでの経験と見識がありませんから最も
老功なる人に択り出してもらうものと覚悟すべきです」 第百八十三 適不適 中川「....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
。何でも娘の時分は我儘《わがまま》な心と生意気《なまいき》な心を慎《つつし》んで
老功者の教えに順《したが》うものと心掛けなければならん。
老功者の唱える理想を実行....
「山の人生」より 著者:柳田国男
いはまた山の高みの草茅の茂みの中に、幽かに路らしいものの痕跡を見ることがあると、
老功な山稼人は避けて小屋を掛けなかった。即ち山男・山女の通路の衝なることを知るか....