老夫[語句情報] » 老夫

「老夫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老夫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
んでいったな!」 十分ばかりたった後《のち》、僕らは実際逃げ出さないばかりに長老夫婦をあとに残し、大寺院の玄関を下《お》りていきました。 「あれではあの長老も....
将軍」より 著者:芥川竜之介
所に、綿服を纏《まと》った将軍が、夫人と一しょに佇《たたず》んでいた。少将はこの老夫妻と、しばらくの間《あいだ》立ち話をした。が、将軍はいつまでたっても、そこを....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
》わらざるに、車は凸凹路《でこぼこみち》を踏みて、がたくりんと跌《つまず》きぬ。老夫《おやじ》は横様に薙仆《なぎたお》されて、半ば禿《は》げたる法然頭《ほうねん....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
いじゃない。その主意を知ってるかよ」 女は黙しぬ。首《こうべ》を低《た》れぬ。老夫はますます高調子。 「解《わか》るまい、こりゃおそらく解るまいて。何も儀式を....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
た頃には自分は風呂に這入っていた事、尚川口夫婦は二階の二室を使用し自分は別荘番の老夫婦と一緒に階下を使うようになっていた事などを割に落付いた態度で答えた。 続....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
。 博士を護って、一行は目黒《めぐろ》行人坂の博士邸へ入った。 雑用係の川北老夫妻と、研究生小山すみれ嬢とがびっくりして博士の帰邸を迎えた。 目賀野の指図....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
なりますか」 「おいリキー。あたしは二度いうよ。おとなしくしておいでと」 この老夫人の言葉は、たいへん利いた。リキーは、ううっと口をもぐもぐさせて、ならぬ堪忍....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
て、ア痛タタと叫びました。 二人連れの怪人 兄は元気になって、谷村博士の老夫人を見舞いました。 「まア、貴郎までとんだ目にお遭いなすってお気の毒なことで....
」より 著者:海野十三
「……そこで四郎さん。あの高い櫓を拵えてどんなことにお使いなさるですか」 と、老夫人は団扇の風を送りながら訊いた。 「ホウ、それそれ。わしもそれを伺おうと思っ....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
大抵にするものだよ。お前あんまりじゃないかね。」 とお通は黒く艶かな瞳をもって老夫の顔をじろりと見たり。伝内はビクともせず、 「邪険でも因業でも、吾、何にも構....
取舵」より 著者:泉鏡花
も、はや御面倒でございますが、小用場をお教えなすって下さいまし。はい誠に不自由な老夫でございます。」 渠は路頭の乞食の如く、腰を屈め、頭を下げて、憐を乞えり。....
あのころ」より 著者:上村松園
ればかりうなっている仕末でした。 息子の呑気さに輪をかけたように、その貸本屋の老夫婦ものんびりとしたいい人達でした。 いつでも店先で、ぼんやりと外を眺めてい....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
るのではなかろうか。 先日久しく訪わない旧知のお茶人の家を訪れたところ、そこの老夫婦はいたく心から歓迎してくれた。 ところがその歓迎の方法から夫婦は美しい喧....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
お師匠筋へ手をつくと、運八がしゃりしゃりと、袴の膝で詰寄って、(汝というものは、老夫、大それた、これ、ものも積って程に見ろ。一県二三ヶ国を代表して大博覧会へ出品....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
土間があって、トンと上がったところが私の「お座敷」という寸法だった。 貸し主の老夫婦は唐紙一つ向こうの六畳に住んでいる。じいさんは夜になると尺八をふところに家....