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老妻
「老妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
んが禿《は》げて来ました。そうして一合の晩酌で大きい顔を、でらでら油光りさせて、
老妻にいやらしくかまっています。少年の頃、夢に見ていた作家とは、まさか、こんなも....
「虚構の春」より 著者:太宰治
左記の三十種の事物について語れば、即時除名のこと。四十歳。五十歳。六十歳。白髪。
老妻。借銭。仕事。子息令嬢の思想。満洲国。その他。』――あとの二つは、講談社の本....
「竹青」より 著者:太宰治
、君子の道に志している高邁の書生であるから、不人情の親戚をも努めて憎まず、無学の
老妻にも逆わず、ひたすら古書に親しみ、閑雅の清趣を養っていたが、それでも、さすが....
「正義と微笑」より 著者:太宰治
人を喜ばすのが好きだったようだ。いまは、川越一太郎というとしとったお巡りさんが、
老妻のキンさんと共に別荘に住んで留守番をしているのだが、僕の家のひとも、あまりや....
「姥捨」より 著者:太宰治
、甘栗を買って行かなくちゃ。おばさんがね、たべたいたべたい言ってたの。」その宿の
老妻に、かず枝は甘えて、また、愛されてもいたようであった。ほとんど素人下宿のよう....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
は何気なく若殿に仕えて、首尾よく蝦夷見物の大役を果し、その後、城主にお暇を乞い、
老妻と共に出家して播州の清水の山深くかくれたのを、丹後その経緯を聞き伝えて志に感....
「放生津物語」より 著者:田中貢太郎
しい霊牌を持って、未見の嫁と孫がまだ深かった北国の雪を踏んで尋ねて来た。数年前に
老妻を失っても悴があるので何とも思わなかった為作は、非常に力を落したものの、やが....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
志願兵となり、其不在中大雪に馬匹の半数を斃したり。三十七年には相与に困苦に当るの
老妻は死去せり。続いて又一は出征し、同秋に至り病馬多く、有数の馬匹を斃したり。為....
「アド・バルーン」より 著者:織田作之助
すたっていたのと、自分も語れなくなっていて、落ちぶれた暮しを、それでも何人目かの
老妻といっしょに送っていた。もうとっくに死んでいたおきみ婆さんと同じようにお歯黒....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はない。殆ど全く聞えないのである。 鶴見が聾になる直ぐ前のことであった。かれは
老妻の曾乃に向って、「お前はどうかしたのかね。声がすっかり変ってぼやけてしまって....
「母親に憑る霊」より 著者:田中貢太郎
がある」 それは鋭い男性的な声であった。父親は勇次郎の戦死の通知があって以来、
老妻が非常に落胆していたので、ついすると発狂したかも判らない。病気になったとすれ....
「岡ふぐ談」より 著者:佐藤垢石
素晴らしいご馳走とは、なんじゃと問うと、猫じゃと答えるのである。すると、わが
老妻が傍らでそれをきいていて猫を食べるのはおよしなさい。猫を殺せば七代祟ると俚言....
「食指談」より 著者:佐藤垢石
ど上州赤城の中腹室沢の金子豊君から贈って貰った秋蕎麥は、近年まれにおいしかった。
老妻が麺棒を握って額から汗を流している間に、私は疎開のとき東京から持ってきた霞網....
「老狸伝」より 著者:佐藤垢石
肉は脂肪を含んでやわらかく、その風味、豚に似ていると思う。 二 さて、わが
老妻は村上町から渡来した狸の肉を細かく刻み、これを鍋の水に入れて二、三時間|沸ら....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
予を箱根に伴い霊泉に浴して痾を養わしめんとの事にて、すなわち先生|一家子女と共に
老妻諸共、湯本の福住に寓すること凡三旬、先生に陪して或は古墳旧刹を探り、また山を....