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老婆心
「老婆心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老婆心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虚構の春」より 著者:太宰治
思索してはいかがでしょう。青森の兄さんとも相談して、よろしくとりはからわれるよう
老婆心《ろうばしん》までに申し上げます。或いは最早《もは》や温泉行きの手筈《ては....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
って行けば、どんな結果になるかも知れない――という京吉の二十三という歳に似合わぬ
老婆心からだったが、やっと芳子を説得してみると、もう芳子は、 「あたし、じゃ、ど....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
爆弾が降ってくるかもしれないのでございます。いやそれは冗談でありまして、実は私の
老婆心から、本会場は既に厳重な警視庁の警戒でとりまいてございますから、どうぞ御安....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
していただくことはありませんか」 「現場に居た人間としては、もう別にありません。
老婆心に申上げたいことは、あの現場附近を広く探すことですな。もしあの場合|銃丸が....
「花吹雪」より 著者:太宰治
とか何とか言われて恐悦がっているようだが、汝は隣組の注意人物になっているのだぞ、
老婆心ながら忠告致す、と口速に言いてすなわち之が捨台詞とでも称すべきものならんか....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
純正な感覚を損われるだろう、というのが氏の一つの持論である。 だが之は何となく
老婆心の感がなくはない。機械的複製表現も、それに固有な新しいセンスを養成発育させ....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
らず、胃が弱く、その上悪い血が彼女自身の顔に薄赤い斑点を描いていた。彼女は類なく
老婆心が強く、同情心も多分に持っている。 彼は美角夫人の前で血を漲《みなぎ》ら....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
ない。処がわが秀才文部大臣の卓越した頭脳は、BKのコセコセしたスイッチや逓信省の
老婆心や内務省の無表情な警察眼をも洩れたこの本に、ニコニコしながら、而も悠々と一....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
るべき方法はいくらもあるのです。ただ僕自身痛切な経験をなめたので、君のためを思う
老婆心から云うのです。僕はもうあの女には少しも心を残してはいません。やりたいこと....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
なんかも、嘘だったとしてもいいさ。ただ僕は君に、盛岡の二の舞をやってくれるなと、
老婆心かも知れないが、切に願いたいのだ。こんど変なことになったら、君の生活はもう....
「十一谷義三郎を語る」より 著者:豊島与志雄
互に有無相通じて急場をきりぬけよう。」と云ってくれたのを、私に気兼ねさせまいとの
老婆心からだろうとそのまま聞き流したのを、今となっては心苦しく思うのである。 ....
「堕落論」より 著者:坂口安吾
つは、彼等が生きながらえて生き恥をさらし折角の名を汚す者が現れてはいけないという
老婆心であったそうな。現代の法律にこんな人情は存在しない。けれども人の心情には多....
「火の扉」より 著者:岸田国士
、すかさず、彼女は、 「ドーシン? あゝ、子供の心、わかつたわ。こつちが、もう、
老婆心のかたまりみたいになつちやつたから……」 ちよつと、おどけて、彼女は、に....
「鬼」より 著者:織田作之助
――そうか、そんな風に思われているのか」 不思議そうな顔をしていた。 「へんな
老婆心を出すようだが、料理屋なら話して為替で払えばいいじゃないか」 「そうも思っ....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
良能の書ででもあるかに、大切珍重する人々の存していることを、心から歎かわしく思う
老婆心からである。こんなふうに、これらを見る私らは、弥々良寛様の見識に頭が下るも....