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「老媼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老媼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
方用人なる倉沢義髄、それに原|信好なぞは上京の機会をうかがっている。岩倉家の周旋老媼とまで言われて多くの志士学者などの間に重きをなしている松尾|多勢子のような活....
古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
なりまして、 「そちは大事な場所をよく見届けておいてくれた」とおほめになり、置目老媼という名をおくだしになりました。そして、とうぶんそのまま宮中へおとどめになっ....
一緒に歩く亡霊」より 著者:田中貢太郎
老媼茶話」には奇怪な話が数多載っている。この話もその一つであるが、奥州の其処に甚....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
余りに失心しようとした。 居合わせた人が、あわててその場にあった鉄瓶の湯をその老媼の口に注ぎ込んだ。 老媼は、その鉄瓶の底をなで回した掌で、自分の顔をやたら....
糸車」より 著者:寺田寅彦
を感じさせるのは、昔のわが家のすすけた茶の間で、糸車を回している袖なし羽織を着た老媼の姿である。紋付きを着て撮った写真や、それをモデルにしてかいた油絵などを見て....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
川お通とて、親も兄弟もあらぬ独身なるが、家を同じくする者とては、わずかに一|人の老媼あるのみ、これその婢なり。 お通は清川|何某とて、五百石を領せし旧藩士の娘....
」より 著者:田中貢太郎
あったか、それはどうもはっきりしないが、その後にあった一つの怪異は実在のもので、老媼茶話の中にでもありそうな話であるが、それは後になって人間の巧智の所産であるこ....
成仙」より 著者:田中貢太郎
った。弟はびっくりして暫くは眼をみはっていた。周はそこで子供のことを聞いた。弟は老媼にいいつけて子供を抱いて来さした。周はそれを見て、 「この嬰児は、祖先の血統....
珊瑚」より 著者:田中貢太郎
れよう。いっそ死ぬるがましだ。」 といって、袖の中から剪刀を出して喉を突いた。老媼はびっくりして剪刀をもぎとったが、血は傷口から溢れ出て襟を沽した。老媼はそれ....
封三娘」より 著者:田中貢太郎
りませんの。」 といって訊いた。三娘はいった。 「両親が早く亡くなって、家には老媼一人しかいないものですから、来ることができないのです。」 十一娘はもう帰ろ....
遠野の奇聞」より 著者:泉鏡花
で、のさのさと出で来らむとする概あり。 古来有名なる、岩代国会津の朱の盤、かの老媼茶話に、 奥州会津|諏訪の宮に朱の盤という恐しき化物ありける。或暮年の頃廿五....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
ここの村に添いて流るるあたりの岸にありと聞きたれば、昼餉食べにとて立寄りたる家の老媼をとらえて問い質すに、この村今は赤痢にかかるもの多ければ、年若く壮んなるもの....
古事記」より 著者:武田祐吉
氏族 海神の系統 民族同祖 猿女の君 意富の臣等 建内の宿禰の系譜 置目の老媼 兄弟の爭い 大國主の神 海幸と山幸 大山守の命 秋山の下氷壯夫 兄弟の國讓....
古事記」より 著者:太安万侶
られて、その老婆を召して、場所を忘れずに見ておいたことを譽めて、置目《おきめ》の老媼《ばば》という名をくださいました。かくて宮の内に召し入れて敦《あつ》くお惠み....
春心」より 著者:田中貢太郎
やっていた。 拝殿の前の金の緒の垂れさがった下には、一人の御隠居様らしい切髪の老媼がこちらへ背を見せて拝んでいた。広巳の眼は烏のような水だらけの鳥へ往った。広....