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「老師〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老師の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
《きょくろく》は、いつの間にか一つになって、それへ向こうをむいた宗演《そうえん》老師が腰をかけている。その両側にはいろいろな楽器を持った坊さんが、一列にずっと並....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ても見当たらなかったが、最近に本箱の抽斗の中から出て来たと半蔵に語り、あの香蔵が老師鉄胤のあとを追って上京したのは明治二年の五月であったが、惜しいことに東京の客....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
から遺漏敗欠が少くない事と思うが、そのような点は引続き大方の御指摘是正を蒙って、老師の真伝記を完成する事が出来たならば、筆者の幸福これに過ぐるものはない。ただ粗....
怪星ガン」より 著者:海野十三
しょう」 「誰に相談なさるのですか」 「そりゃきみ、わかっているだろう」サミユル老師は悲しい目つきをした。 そこでテッド博士は、心ひそかに思った。 (なるほど....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
をつかはすべし。悪僧は今暫し傍におきて諭すべしといふに――これは手ぬるい。ねえ、老師。少し手ぬるいじゃござんせんか。」 「どうでもいい、そんなことは。早く後を読....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
なにか曰くのありそうな庭園であった。 「どうも半端な庭園じゃな。それにしても、王老師は、どうしていられるのか。おいおいボーイ君、王老師はまだこの大使館へ出勤せら....
木犀の香」より 著者:薄田泣菫
また物足りなくも思はなかつた。 名高い江西詩社の盟主黄山谷が、初秋のある日晦堂老師を山寺に訪ねたことがあつた。久濶を叙しをはると、山谷は待ちかねたもののやうに....
三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
れよりはおもに、隊の医務をやっていた老人から、本草の学をまなんだこと、そしてその老師が亡くなったので、休暇をもらって帰省したこと、大体そんなことだけでした。 「....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に合うや否や。 ★ 葬式は案内状に記載の順の通り進行した。老師の率いる十六人という多勢の坊さんが様々の楽器を奏しつつ、静々と踊る。踊るとい....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
宇宙とは一つものであります。向き合っているのではありませぬ。それで私はそのときに老師にその見解を呈すると、「そらごらん、受け取ることもどうすることもできますまい....
次郎物語」より 著者:下村湖人
方に旅行に来て、清水青年団の肝いりで一泊して以来、たびたび厄介をかけ、住職の伊藤老師ともすっかり仲よしになっていたからである。 老師は五尺にも足りない小柄な人....
南国太平記」より 著者:直木三十五
うに、左を見、右を見しなかった。和田は、大抵の雨にも、雪にも、薬草採りをやめない老師が、急に帰るのを考えると、何か、大変なことが起っているように感じられた。 ....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
。そこで師匠の法眼が劇場の何たるかを知らないのに附け込んで、斯う言いました。 「老師、この建物の中には尊いものが沢山あるのでございます。一つお詣りしていらっして....
将来の日本」より 著者:中江兆民
称さしむ。君|齢《よわい》わずかに二十四、五。しかるに学殖の富衍《ふえん》なる、老師宿儒もいまだ及ぶに易からざるところのものあり。まことに畏敬すべきなり。およそ....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
えない気持で、盃持つ手の慄えもやまなかった。 「押入れの袴を出してくれ。これから老師さんへ独参に行ってくるから」と、娘に言った。 「もう九時でしょう」 「何時だ....