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老後
「老後〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老後の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
、清逸が学問をするために牽《ひ》き起される近親の不幸(父も母もそのためにたしかに
老後の安楽から少なからぬものを奪われてはいるが)は、清逸をますます学問の方に駆り....
「富士」より 著者:岡本かの子
え戸外へ避けしめる例であった。生みの親の、その肉親の纏白《てんぱく》の情は、殊に
老後の思い出に遥々たずね当った稀《まれ》なる歓びは心情の捻纏を一層に煩わしくしよ....
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
う》に見ているが、実は出来ることなら自分をみち子の婿《むこ》にでもして、ゆくゆく
老後の面倒でも見て貰おうとの腹であるのかも知れない。だがまたそうとばかり判断も仕....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
世の望みのない父は、どうしても自分の後つぎに取りすがるよりほかはないので、行綱は
老後の楽しい夢を胸に描きながら、ひたすらに娘の生長を待っていた。藻はことし十四に....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
学や高等学校はよく出来たんですけれども、それからが一向|纏まらないんです。多分、
老後の父親が、つまらないことを死ぬまで云い聞かせて置いたためでしょう」 「それは....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ても憎み切れないものがある。家というものを護らせられるように出来ている女の本能、
老後の頼りを想う女の本能、そういうものが後先の力となって、自分で生むと生まないと....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
の商売をはじめる元手でも稼ぎためるか、廉い田地でも買うことにするか、なんとかして
老後の生計を考えておかなければなるまいと思って、それを夫に相談すると、蛇吉はうな....
「巴里の秋」より 著者:岡本かの子
声も秋風のなかにふさわしい。男は小金を貯めた。多くの巴里人のならわし通りこの男も
老後を七、八十|里巴里から離れた田舎へ恰好な家を見付けて買取り、コックに一人の女....
「秋の筑波山」より 著者:大町桂月
失敗、本城の岩槻さへ取られ、はる/″\常陸まで落ちゆきて佐竹義宣をたより、片野に
老後の身を寄せたり。然れども、雄志|毫も衰へず。老武者の英姿は、いつも筑波山下に....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
たり。 予はこれまでにて筆を措くべし。これよりして悦び悲しみ大憂愁大歓喜の事は
老後を待ちて記すべし。これよりは予一人の関係にあらず。お梅(かの女の名にして今は....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
才物ゆえ、邪智にも長けていて、私かに佐渡吹きの黄金を隠し置き、御役御免になっても
老後の栄華、子孫の繁盛という事を考えて、江戸へ運び出す途中に於て、腹心の者と申し....
「一老人」より 著者:犬田卯
二 村に百姓をして一生を過ごすものの夢想することも出来ないような安楽な
老後を送っている爺様がどうして発狂したのだろうか、ということについて、やがて一座....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
に、雉六は寝床のなかで頓死していた。藤次郎は生涯それを誰にも洩らさなかった。彼が
老後の重病に罹かって、しょせん生きられないと自分でも覚悟した時に、はじめて白旗山....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
。ホンコンの近づきたるを推知するに足る。船中に豪州の婦人、その齢七十七歳にして、
老後の保養のために日本に東遊し、帰国の途に就きたるものと同乗す。その勇気には驚け....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
るとのびてしまいます。 若い時、かなり激しい気性の人で、活動し続けて来たのが、
老後になってぽかんとしてしまったという老人など、たまにみなさんの周囲にお見受けに....