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「老朽〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

老朽の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
毛利先生」より 著者:芥川竜之介
じゃありません。ただ、毎晩やって来ちゃ、ああやって、教えているんです。何でももう老朽《ろうきゅう》の英語の先生だそうで、どこでも傭《やと》ってくれないんだって云....
高野聖」より 著者:泉鏡花
》を振り切って別れようとすると、お名残惜《なごりお》しや、かような処にこうやって老朽《おいく》ちる身の、再びお目にはかかられまい、いささ小川の水になりとも、どこ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ったから、この観察も無理はなかった。その頃土門はしきりに、「俺は五十歳だ。もはや老朽だ」といいふらしていた。五十歳だとすると、つまり土門は二十年間東洋新報に勤め....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
だ無暗と浸水が烈しく、急激な傾斜が続いて、そのまま沈没してしまった。しかし、まだ老朽船と云うほどでもない北海丸が、秋口の時化とは云え、何故そんなに激しい浸水に見....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
」 「じゃあ、どうすればいいの」 「どうも出来ません。僕あ、どうせ来月から貧乏な老朽親爺に代って場末のエナ会社の書記にならなけりゃならないし、小初先生は東京の真....
春昼」より 著者:泉鏡花
け直して、 「段々お宗旨が寂れます。こちらは何お宗旨だか知りませんが。 対手は老朽ちたものだけで、年紀の少い、今の学校生活でもしたものには、とても済度はむずか....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
掛け三年。――君に逢うまで、それさえ忘れた。……また、忘れるために、その上、年に老朽ちて世を離れた、と自分でも断念のため。……ばかりじゃ無い、……雁、燕の行きか....
狂女」より 著者:秋田滋
ることになったが、その十二人のうちには少佐がひとりいた。これがまた、ひどく頑冥な老朽士官で、鼻ッぱしの荒い、気むずかし屋だった。 最初の幾日かのあいだは何ごと....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
の言葉によって、其の要旨を述べる。 今や、旧社会は其の繁栄の絶頂を超えて、既に老朽の坂を降りつつある。或は既に瀕死の状態にあるものと見ていい。そして其の廃墟の....
一老人」より 著者:犬田卯
女房の亭主の弟で、少年時東京に出され、徒弟から職工と、いろいろの境遇を経てついに老朽し、職業から閉め出しを喰った人であったのだ。 彼には一人の娘がある。それが....
式部小路」より 著者:泉鏡花
も三千年も少かろう。 ただ我々に取っては、これを渡初めした最年長者より、もっと老朽ちた橋であるから、ついこの居まわりの、砂利場の砂利を積んで、荷車など重いのが....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
三人の男の子が生れた。総領は児供の時から胆略があって、草深い田舎で田の草を取って老朽ちる器でなかったから、これも早くから一癖あった季の弟の米三郎と二人して江戸へ....
断食芸人」より 著者:カフカフランツ
際、年をとっていくのに衰えないこの芸の特性を思うと、もはや技能の全盛期にはいない老朽の芸人が落ちついたサーカスの地位に逃げこもうとしているのだ、などとはけっして....
西航日録」より 著者:井上円了
ゆ。しかれどもこれをほかの国に比するに、市中見るものなんとなく活気に乏しく、やや老朽国のうらみあり。 翌二十九日の早朝アムステルダムを発し、ハーグに至り博物館....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
を決して、南球周遊の途に上るに至る。 けだし、北半球はこれを人の年齢に比するに老朽せるもののごとく、これに反して南半球は血気さかんなる青年時代のごとくなれば、....