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老練
「老練〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老練の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ものである。少くとも詩的表現を受けない性慾は恋愛と呼ぶに価いしない。
或
老練家
彼はさすがに
老練家だった。醜聞を起さぬ時でなければ、恋愛さえ滅多にし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
りにあっけなかった。もう一|度汝を彼所へ連れて行くとしょう。あの修行場には一人の
老練な監督者が居るから、不審の点は何なりとそれに訊ねるがよい。』 『そのお方も矢....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の光を吸い初めたのだ。 模範船(港内に四五|艘あるのだが、船も大きいし、それに
老練な漁夫が乗り込んでいて、他の船にかけ引き進退の合図をする)の船頭が頭をあつめ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
地の人々も、大安心をしたのであった。 調査隊の取調べが始った。さすがにその道の
老練家たちだけあって、やることがきびきびしていた。 坑道のあらゆる底が調べあげ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
から午後六時の子供さんのお時間でございますが……」 と云ったは云ったが、流石に
老練なアナウンサーも、これから放送しようとする事項の重大性を考えて、そこでゴクリ....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
もとに、二人の技士が起きていた。 一人は四十を越した赤銅色に顔のやけたりっぱな
老練な船のりだった。もう一人は、色の白い青年で、学校を出てからまだ幾月にもならな....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
して法華経はその哲理と実行の勧めを説いた経巻であり、維摩経は維摩居士という俗間の
老練な一男性をして、その大乗主義の体験を物語らしめたもの、また勝鬘経は勝鬘夫人と....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ない、更に奇怪を感ぜしめたのは、彼が誰よりも先に颶風や潮を予報したことであった。
老練の船頭すらもまだそれを発見し得ない間に、かれがどうして逸早くそれを予覚したの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の底から小判五枚を発見され、又それがために教重も捕えられることになったのである。
老練の兼松もここへ来るまでは、別にこれという成案もなかった。おぎんに眼を着けたの....
「鷲」より 著者:岡本綺堂
笑いか、いずれその一つとは察せられたが、弥太郎は組内の古参といい、鉄砲にかけても
老練の巧者であることを諸人もよく知っているので、さすがに正面から彼を詰問する者も....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
い濁声がしたかと思うと、何時の間にか、そこには淡路研二が突っ立っていた。 この
老練な新劇界の古|強者は、臆する色もなく、椅子を引き寄せた。彼はずんぐりとした胴....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ありませんか。遺言書の内容だけは、話してしまった方がいいでしょう」熊城はさすがに
老練な口穽を掛けたけれども、真斎はいっこうに動ずる気色もなく、
「なに、遺言状…....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
巧みに覆し、すべてにおいてルキーンの犯罪だと見せかけようとしたのです。ですから、
老練な熊城でさえまんまと引っかかってしまったのですよ。しかし、真の驚嘆はこれから....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
よって、拷問によってである。白洲に引き出された囚人は鉄心臓の判事の苛酷や、当時の
老練極まる法官の悪意に対してどんな弁護士を頼むことも許されなかった。判決はもっと....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
もしこの方がチベットで政治を執るようになって居りますれば、今の鋭敏なる法王とこの
老練なる大臣とが相俟って随分面白い仕事が出来たろうと思う。こういうような前大臣と....