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老骨
「老骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「男女同権」より 著者:太宰治
方八方が円満に治るのだから是非どうぞ、と頼まれますると、私といたしましても、この
老骨が少しでもお役に立つのは有りがたく、かたじけなしと存じて、まことにどうも、イ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
顧みずに、こうしてお力借りに参ったのじゃ。なんとも不面目しだいな仕儀でござるが、
老骨一期の願い――このとおりじゃ。このとおりじゃ」 いうと、老武家は真実面目な....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ざる」 「計ったか! 老いても市崎宗左衛門じゃ。手出しができるなら出してみろッ」
老骨、必死となって抜きかかろうとしたのを、草香流があるのです。手間のかかるはずが....
「自転車日記」より 著者:夏目漱石
転車の末路また憐《あわれ》むべきものありだがせめては降参の腹癒《はらいせ》にこの
老骨をギューと云わしてやらんものをと乗らぬ先から当人はしきりに乗り気になる、然る....
「長篠合戦」より 著者:菊池寛
房は敢て争わなかった。年六十二。自らの諫言を取り上げなかった主勝頼の為に、ついに
老骨を戦場に晒したわけである。十八の初陣から今まで身に一つの傷を負わないと云う珍....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
戦陣に屍を暴すをもって本意として来た。生きて日本へ帰る事など曾て思った事もない。
老骨一つ、よし此処に討死しても日本の恥にもなるまい」と頑張って退く事を肯じない。....
「花吹雪」より 著者:太宰治
成るべく、老生もとより愚昧と雖も教えて責を負わざる無反省の教師にては無之、昨夕、
老骨奮起一番して弓の道場を訪れ申候。悲しい哉、老いの筋骨亀縮して手足十分に伸び申....
「縮図」より 著者:徳田秋声
板が出ていた。 「貴女は住替えした方がいいのう。」 半白の顎鬚を胸まで垂らした
老骨相家は言うのだった。 「住替えは赤坂に限る。赤坂へ住み替えれば運は必ず嚮いて....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
思って見れば、老木の梢である。年久しく風霜と闘うて皮は大部分|剥げ、葉も落ちて、
老骨稜々たる大蝦夷松が唯一つ峰に突立って居るのであった。
余の胸は一ぱいになっ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
の大家斎藤五郎蔵氏に就いて装束|附方を伝習した。尤も斎藤氏は初め翁を田舎の貧弱な
老骨能楽師と思ったらしく中々伝習を承知しなかったそうであるが、現家元その他の熱心....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
。かかりあいになるのを恐れてのことだ。 金谷先生しゃべる 海岸通り横丁の
老骨董商殺しのニュースは、その翌朝には、新聞記事になっていた。 春木少年や牛丸....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
膝引いて主人を一ト眼見たが、直に身を伏せて、少時は頭を上げ得無かった。然し流石は
老骨だ。 「恐れ入りました。」 と、一句、ただ一句に一切を片づけて了って、 「了....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
るまい。」 と云った。何かが破裂したのだ。客はギクリとしたようだったが、さすがは
老骨だ。禅宗の味噌すり坊主のいわゆる脊梁骨を提起した姿勢になって、 「そんな無茶....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
捨てるのに、一週間、かかったんだよ。ねえ、君。考えてみれば、ほかに、オレみたいな
老骨を拾ってくれる会社はないじゃないか。誇りなんぞ、持ってやしませんよ。生きるに....
「春宵因縁談」より 著者:佐藤垢石
一日もやまなかった。されば自分は、直ちに社長就任を快諾した。即ちこれは七十余歳の
老骨に、死所を与えられたものである。死華であろう。これからは、この痩躯に鞭うって....