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老齢
「老齢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
老齢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
二郎の悲しい心を慰めるのだった。寒中炬燵なしでどうにか凌げるからだった。さすがに
老齢で、足はチリチリと冷えるが、それも足袋をはいて寝れば、いくらか我慢が出来る。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
それでついにジェシュイット教徒はガリレオを告訴するに至ったので、彼は一六三三年に
老齢と病気のために衰弱していたにかかわらずローマへ召喚され、宗教裁判の訊問に答え....
「紅黄録」より 著者:伊藤左千夫
り四カ月とたたぬうちに父は果たして石塔の主人となられた。一村二十余戸八十歳以上の
老齢者五人の中の年長者であるということを、せめてもの気休めとして、予の一族は永久....
「食魔」より 著者:岡本かの子
誕生したときいったという父の言葉を伝えた。「この子がもし物ごころがつく時分わしも
老齢じゃから死んどるかも知れん。それで苦労して、なんでこんな苦しい娑婆に頼みもせ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
筋質骨化に伴う衝動心理現象と説いている。勿論|間歇性のものには違いないけれども、
老齢者が息を吸い込む中途で調節を失うと、現に真斎で見るとおりの、無残な症状を発す....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
となった。 これより先山本勘助晴幸は、今度の作戦の失敗の責任を思い、六十三歳の
老齢を以て坊主頭へ白布で鉢巻きをなし、黒糸縅しの鎧を着、糟毛の駿馬にうちまたがり....
「火星兵団」より 著者:海野十三
あのように「火星兵団」のことを、世間に言いふらさねば、大学当局は、なにもあの
老齢の蟻田博士から、名誉教授の肩書をうばうようなことは、しなかったであろう。
....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
で聴いたというのだ。心理学者は母性愛と並行する母性憎があるという。その愛憎並存を
老齢のまきにあてて、この事件はますます疑雲におおわれてしまった。
老齢によくあ....
「二・二六事件に就て」より 著者:河合栄治郎
る一点に於ては、彼等は吾々の老いたる同志である。動もすれば退嬰保身に傾かんとする
老齢の身を以て、危険を覚悟しつつその所信を守りたる之等の人々が、不幸|兇刃に仆る....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
(弐)――術院の委員、審査員、として、玄武青竜はいざ知らず、斯界の虎! はたその
老齢の故に、白虎と称えらるる偉匠である。 惟うべし近常夫婦の塚に、手向けたる一....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
立された時代で、教会の奥に隠れたキリスト教婦人が街頭に出でて活動し初めた。九十の
老齢で今なお病を養いつつ女の頭領として仰がれる矢島楫子刀自を初め今は疾くに鬼籍に....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
はその名を良定と云い、京都三条畷の檀王法林寺の開山で、寛永十一年の当時九十一歳の
老齢であった。その書名の泥※之道」は、死者の葬儀や位牌の書き方等を示したものであ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
Kのほうに顔を向け、すぐまた捜し始めるのだったが、その顔の数多くの鋭い皺は、
老齢ではなくて、充実した気力を示しているように見えた。 「契約書を捜しているんで....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
場へ引かれて行く、歩みの遅々として進まない牛を見た時、或は多年酷使に堪え、もはや
老齢役に立たなくなった、脾骨の見えるような馬を屠殺するために、連れて行くのを往来....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
齢により著しき消長があります。青年期から壮年期にかけて強く、少年期はまだ現れず、
老齢になるに及んで減退するものであります。この性欲の根本使命は、種の保存、子孫繁....