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耐え忍ぶ
「耐え忍ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耐え忍ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
に私たち夫妻に無理由な侮辱が加えられるからばかりではございません。そう云う侮辱を
耐え忍ぶ結果、妻のヒステリイが、益《ますます》昂進《こうしん》する傾があるからで....
「え゛りと・え゛りたす」より 著者:辻潤
絶した窮迫ぶりで、到底他人の窺い知ることの出来ぬ程に徹していたのだが、私はそれを
耐え忍ぶことに興味? を覚えた。負け惜しみと笑わば笑え! 強情と罵らば罵れ! ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
とだし、出来ないと言っても、全くこれを心から取り除くことはなし得なかった。これを
耐え忍ぶのは、僕がこれまで見せて来た快濶の態度に対しても、実に苦痛であった。しか....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
この世では生きる事は死ぬる事よりも苦しい場合はいくらもあります。そこを死なずに、
耐え忍ぶ時に、信心ができるようになるとお師匠さまがおっしゃいました。 かえで 私....
「斜陽」より 著者:太宰治
たまう汝らの父の霊なり。又なんじら我が名のために凡ての人に憎まれん。されど終まで
耐え忍ぶものは救わるべし。この町にて、責めらるる時は、かの町に逃れよ。誠に汝らに....
「成仙」より 著者:田中貢太郎
いた成と一緒になって歩きだしたが、遥かに遠くへいってからふりかえって、 「物事を
耐え忍ぶことが、最も楽しいことだよ。」 といった。弟はそこでそれに応えようとし....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
それによって彼らはいっそう不幸に陥るだろう。それは、人間の本性がとうてい、冒涜を
耐え忍ぶことのできないもので、結局、自分で自分にその復讐《ふくしゅう》をするに決....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ように、彼自身の前にうなだれている柔順な顔――ただ、その相違は、これらの顔は単に
耐え忍ぶためにうなだれているのであって御機嫌を取るためではない、ということであっ....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
たりまたは家畜が死ぬ場合には、彼らはその窮乏の原因を理解し、これを天の配剤として
耐え忍ぶのである。何人も、自然の一般的法則から生ずると自ら信ずる災厄は、適宜の忍....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
下腹部内臓に加えられた創傷は、薬物による昏睡状態に在るのでなければ、何人も決して
耐え忍ぶことの出来ない程度の非道いものだったからである。この、麻酔剤を使ったとい....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
のなかに病むものの悲哀にうちしおれていました。硝酸銀でやかれたので傷が痛みます。
耐え忍ぶことの尊さを知った私は、それでも眼を閉じて祈りの心持ちのなかに没しようと....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
それを知っています。そして、私を圧迫してくるものがなんであろうと、あらゆる苦難を
耐え忍ぶ私の力と、根気を凌ぐことはできないのです」 まさに堂々たる言い分である....