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耐忍
「耐忍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耐忍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さようなら」より 著者:田中英光
高に語り止めなかったのが、段々、人を殺したり殺されたりの血腥《ちなま》ぐさい禁欲
耐忍の日々が続く中、岡田がぼくに返事さえ云い渋るほど無口になってゆくのに気づいた....
「うつり香」より 著者:近松秋江
かった。堪えかねてこちらから手紙を出して見たが、それに対する返辞もない。とうとう
耐忍しきれなくって、その次の次の日に清月まで出かけて行った。 「この間私の留守の....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
永遠の希望や目前の欲望を犠牲にし、全力を挙げてその女を所有するがために幾年の間の
耐忍辛苦を続けて来たのである。自分でも時々、 「ああ馬鹿らしい。こんなにして金を....
「余興」より 著者:森鴎外
がまだ大学にいた時最も恐怖すべき高等数学の講義を聴いた時間よりも長かった。それを
耐忍したのだから、私は自ら満足しても好いかと思う。 ようよう物語と同じように節....
「関牧塲創業記事」より 著者:関寛
り。然るに片山夫婦は予に告げて曰く、通例の和服にては、小虫を防ぐには足らず、迚も
耐忍すべからずと。斯く示されたりしも、強て和服にて股引をはきて出掛けたり。然るに....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
奈何結句が奈何というようなことを繰返している。読者諸氏は此等の言に対してしばらく
耐忍せられんことをのぞむ。万葉集の傑作といい秀歌と称するものも、地を洗って見れば....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を支配する能力はちっとも発育させず成長して、やっと四十越して世間に出てすこしずつ
耐忍も出て来た有様です。自分の心を自分で持てない人間を私は一番おそれます、男も、....
「今戸心中」より 著者:広津柳浪
」 吉里は小万に酌をさせて、一息に呑むことは飲んだが、酒が口一杯になッたのを、
耐忍《がまん》してやッと飲み込んだ。 「ねえ、小万さん。あの時のお酒が毒になるな....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
り出でられぬ。妻の手前ながら定めて断腸《だんちょう》の思いなりしならんに、日頃|
耐忍《たいにん》強き人なりければ、この上はもはや詮方《せんかた》なし、自分は死せ....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
なり」 と。決して女子は勇気なくともよいというのではないが、女子の強きところは
耐忍《たいにん》にありとせば、男子の特長は猛進的《もうしんてき》なる奮闘《ふんと....
「ベエトォフェンの面」より 著者:和辻哲郎
り組んで、沈黙、静寂、悲痛の内に、苦患の最後の一滴まで嘗め尽くす。この態度のみが
耐忍の名に価するだろう。 苦患に背を向け、感傷的に慟哭し、饒舌に告白する。かく....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の信用を重んぜざるの弊あるを憂え、学術に従事するものは、わが学生の小成に安んじて
耐忍、進取の気風なきを憂え、政治社会に立つものは、わが人民の議論つねに軽躁に走り....
「真の愛国心」より 著者:新渡戸稲造
る勤勉である。ある国人は快闊《かいかつ》である、ある国人は機敏である、ある国人は
耐忍が強いというが如く、他国人の長所を見るにつけても、自分の短所が一層|明《あき....
「女子教育に就て」より 著者:新渡戸稲造
失敗するものが多い。然れど常に理想を固く以《もっ》ているものは、その中に於てよく
耐忍してこれに勝つことができる。 この理想を養う所は学校である。私の友人に大学....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
のだ。
メフィストフェレス
御落胆なさいますな。まだ敗北はいたしません。
耐忍と機智とは結局まで入用です。
末になって来ると、事情は切迫するものです。
わ....