耳を洗う[語句情報] » 耳を洗う

「耳を洗う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳を洗うの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十二支考」より 著者:南方熊楠
出る時の様子までも載せあった。昔は帝堯が己に譲位すべしと聞いて潁川《えいせん》に耳を洗うた変物あり、近くは屁を聞いて海に入り、屁を聞かせじと砂に賺《すか》し込む....
話の種」より 著者:寺田寅彦
病患で三半規管に故障が起るとグラグラして直立歩行が出来なくなる。鼓膜の破れた人が耳を洗う時|眩暈を感じたり、また健全な者でも少時間グルグル舞うた後には平均を失う....
旅の旅の旅」より 著者:正岡子規
れば何となく行脚《あんぎゃ》の心の中うれしく秋の短き日は全く暮れながら谷川の音、耳を洗うて煙霧模糊の間に白露光あり。 白露の中にほつかり夜の山 湯元に辿....
悪僧」より 著者:田中貢太郎
に行李を解いた宣揚は、遠く本堂の方から漏れて来る勤行の声に心を澄まし、松吹く風に耳を洗うて読書|三昧に入ろうとしたが、夫人の唇や頬が文字の上に見えて読書する気に....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、雲取の相が澄んで来ると、奥の院道も白み渡って、チチ、チチ、チチ……と小鳥の声が耳を洗う。 「先生、どうしてだろ?」 「何が」 「明るくなったのに、お日様が見え....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
店先の暑さや騒ぎは別天地のようだ。泉石も、樹々も打水に濡れ、微かな水のせせらぎが耳を洗う。 数寄屋の一間に、毛氈を敷きのべ、茶菓、煙草をととのえ、火入れには練....
三国志」より 著者:吉川英治
任を負って、※陽湖へ来てからは、家にのこしてある愛妻を見る日もなく、好きな音楽に耳を洗ういとまもなく、ひたすら呉の大水軍建設に当っていた。 しかもその水軍がも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
みがえってくる。 「のう覚一。ひょんなことを、ふと耳にしたものよの。魔の声じゃ。耳を洗うて、忘れたがよい」 「はい。けれど、拭えぬ怯えに、ゆうべも恐い夢をみまし....