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「耳掻き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

耳掻きの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
か》きを使いながら、忘れられたように坐っていた。それが洋一の足音を聞くと、やはり耳掻きを当てがったまま、始終|爛《ただ》れている眼を擡《もた》げた。 「今日《こ....
鉄鎚」より 著者:夢野久作
っているんですってよ。……それをアブサントを台にして作ったコクテールの中に、竹の耳掻きで一パイか二ハイずつ混ぜて服《の》ませると、その人間は間もなく中毒にかかっ....
家霊」より 著者:岡本かの子
ものが、丸髷用の玉かんざしのまわりに夏菊、ほととぎすを彫るようになり、細づくりの耳掻きかんざしに糸萩、女郎花《おみなえし》を毛彫りで彫るようになっては、もうたい....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
例の二つ手をかつぐ形で眠ります。夢はまだ見ます。いやね、昨夜の夢は、小さい小さい耳掻きがいくつもいくつもうんとあって、私はその一つ一つの小さい耳掻きの凹みにつま....
絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
軽く吸い、その煙草を伊達に構えて語り出した。 「まあ御覧な。笄の頭がありきたりの耳掻き形じゃなくて、紅い卍字鎌の紋になっているだろう。それが、朋輩だった小式部さ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
肉さに、すこしは苦笑する余裕があっても良かりそうなものだのに、お前はそんな余裕は耳掻きですくう程も無く、すっかり逆上してしまって、自身まで出向いて、市中の書店を....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
というから酒の肴には絶好の品であろうけれど、恐ろし恐ろし。よく干したものを削って耳掻きに一杯飲むと、身体自ら熱温を生じ性気昂進して、琴瑟相和するところの奇薬であ....
呼ばれし乙女」より 著者:岡本かの子
に水に向って手を差し伸べていた。 腕頸に淡いくびれがあり、指の附根の甲に白砂を耳掻きで掬った痕のような四つの小さい窪みのできる乙女の手は、いま水晶を溶したよう....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
さえ置いてくれるなら、飯はわしがこしらえるからと、大きな空鍋を出させ。袋の中から耳掻きに一ぱいほどの物を出して、水を入れて火の上にかけると、たちまちのうちに一鍋....