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耳新しい
「耳新しい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳新しいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
島は首を傾《かし》げて聴惚《ききほ》れていた。今まで莫迦にしていたこの男が、何か
耳新しい特殊な智識を持っている悧巧《りこう》者のように思えて来た。
「君は職人だ....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
故に久しく廃って居りましたが、今日になって見ると、却《かえ》って古めかしい方が、
耳新しい様に思われます。これはもとより信じてお聞き遊ばす事ではございませんから、....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
を惹いたばかりの時であった。その上、コニューシェンナヤ通りの*踊り椅子の噂もまだ
耳新しい頃であったから、たちまち、八等官コワリョーフ氏の鼻が毎日かっきり三時にネ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の》中の第三番てがらに詳しくご紹介しておきましたから、記憶のよいかたがたにはまだ
耳新しい名まえだと存じますが、もし八丁堀の同僚たちのうちで気組みだけなりと、われ....
「道草」より 著者:夏目漱石
、多分知っておいでだろう、――へ行ったんです」 ――という名前はなるほど健三に
耳新しいものではなかった。しかしそれはもうよほど前に死んだ人であった。 「あとが....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
了いました、私の悲しみをお察し下さい」と殆ど泣き相な顔附きで云って居る、是は実に
耳新しい話である、お浦はアノ時も余に向って昔の約束に立ち返って呉れと嘆いたのに其....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
オドレイルの悪魔主義や、コクトオ一派の超現実主義を尊崇していた。そこから出て来る
耳新しい文学論は、葉子にも刺戟があった。 「いる、いる!」 窓から顔を出してい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
とではない。 お雪の絶望に似た泣く音《ね》を、夢うつつの間に竜之助が聞くのも、
耳新しいことではない。 その時、またしても、不意にピグミーが襲いかかって来まし....
「追憶の医師達」より 著者:寺田寅彦
んでしまうのであったが、この楠先生もよくお愛想に出した葡萄酒の杯を銜んだりして、
耳新しい医学上の新学説などを聞かせてくれたような記憶がある。この人の話した色々の....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
う。また強い電光に全身を浴するとトルコ風呂よりも薬になるそうである。次にちょっと
耳新しいのはロシアの某医師が患者の咽喉の中へ紫色の電灯を点じて喉頭の病を治した事....
「博物誌」より 著者:岸田国士
日に向って欠伸をする。 それから、うるさく喚きたてる露天商人のように、その日の
耳新しい出来事を声高に話す。 今晩、彼女らのところでは、お客をするらしい。君に....
「哲学の現代的意義」より 著者:戸坂潤
というものがあるというなら、哲学は論理学だと云ってもいい。そういう云い方も決して
耳新しいことではない、ただ論理学という観念を適切に拡大すれば足りる。思考の論理で....
「城」より 著者:カフカフランツ
しても、いったいだれがそれをまちがいだと決定的にいえますかね」
「それはまったく
耳新しいお考えですね」と、Kは叫んだ。
「いや、私にとってはまったくありふれたこ....
「デモクラシーの要素」より 著者:新渡戸稲造
うが、国民一般に就ていえば英人が遺伝的に本能的に理解していたことも、仏蘭西人には
耳新しい珍しい面白い福音原理の如く聞えた、殊《こと》にこの説の宣伝に有力であった....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
、ええ、ワーニャ君。 ワーニャ (だるそうに)いい話って? アーストロフ 何か、
耳新しいことでも。 ワーニャ ないね。旧態依然たりさ。僕なんざ、相も変らぬ元の杢....