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耳殻
「耳殻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
耳殻の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
」 自分が、見てみると、両方の耳が、ひどい耳だれでした。膿《うみ》が、いまにも
耳殻の外に流れ出ようとしていました。 「これは、いけない。痛いだろう」 と自分....
「いのちの初夜」より 著者:北条民雄
しょりかいて、胸の鼓動が激しかった。他人《ひと》にころされるうーと叫んだ声がまだ
耳殻にこびりついていた。心は脅《おび》えきっていて、布団の中に深く首を押し込んで....
「地は饒なり」より 著者:宮本百合子
「昔、昔、或るところに一人の王様があった。 彼は生れたときからどうしたのか、
耳殻が両方ともついていない。立派な王冠の左右へ、虫の巣のように毛もじゃもじゃな黒....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
、凛々しい眉、涼しそうなる眼、形のいい鼻、濡れたような赤い唇、豊な頬、魅力のある
耳殻――そういうものをそっくりそのまま備えた別の男があっていいものだろうか。 ....
「環礁」より 著者:中島敦
く、一尺五寸ばかりも紐《ひも》のように長く伸びている。それを、鎖でも捲くように、
耳殻《じかく》に三廻《みまわり》ほど巻いて引掛けている。そういう耳をしたのが四人....