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聊か
「聊か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聊かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「良夜」より 著者:饗庭篁村
を申し送り、人世を以て学校とすれば書冊の学校へ入らずも御心配あるなと、例の空想に
聊か実歴したる着実らしき事を交えて書送りたり。折返して今度は伯父よりの手紙に、学....
「出来上った人」より 著者:芥川竜之介
に思っている。先頃「高麗の花」を評した時に詩人室生犀星には言い及んだから、今度は
聊か友人――と言うよりも室生の人となりを記すことにした。或はこれも室生の為に「こりゃ」と叱られるものかも知れない。....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、存続され、発達させられるからだ。 お前は機械になることを恥じねばならぬ。若し
聊かでもそれを恥とするなら、そう軽はずみな先き走りばかりはしていられない筈だ。外....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
しょう。」 その手植の松より、直接に弁慶にお目に掛った。 樹立の森々として、
聊かもの凄いほどな坂道――岩膚を踏むようで、泥濘はしないがつるつると辷る。雨降り....
「春昼」より 著者:泉鏡花
けれども、黙きりも些と気になった処。響の応ずるが如きその、(はあ、私けえ)には、
聊か不意を打たれた仕誼。 「ああ、お爺さん。」 と低い四目垣へ一足寄ると、ゆっ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
が済まぬらしく、 「言とがめをなすってさ、真個にお人が悪いよ。」 と異に搦む。
聊か弁ぜざるべからず、と横に見向いて、 「人の悪いのは貴女でしょう。私は何も言と....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
娘が、まあ、と言った。 ――あら、看板ですわ―― いや、正のものの膝栗毛で、
聊か気分なるものを漾わせ過ぎた形がある。が、此処で早速|頬張って、吸子の手酌で飲....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
分痔を療治していられたかと想う。生れて初めて外科の手術を受けたとのことで、「実に
聊かな手術なのに……」と苦笑して、その手術の時のことを話された。 軽い手術だか....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
最期を聞く如き感がある。一書肆の災を以て歴史上の大事件に比するは倫を失したもので
聊か滑稽に類するかも知れないが、昨日までは金銀五彩の美くしいのを誇った書冊が目の....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
の文人の多くは各々蝸牛の殻を守るに汲々として互いに相褒め合ったり罵り合ったりして
聊かの小問題を一大事として鎬を削ってる。毎日の新聞、毎月の雑誌に論難攻撃は絶えた....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
た。気楽どころかむしろ逼迫していた。これより二、三年前、二葉亭の先人は官を罷めて
聊かの恩給に衣食し、二葉亭の毎月の学費も最後の一、二年は蓄財を割いて支弁しつつ万....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
蔑するようなものではない」というと、親や伯父は文学士をエライものだと思ってるから
聊かヘコタレの気味であった。 こんなわけで「文学士春の屋おぼろ」というものは非....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
た。多分最初は、麻雀という時間のかかる競技が、彼のように多くの閑を持つ人間を、無
聊から救ってくれたからでありましょう。しかし段々と競技をすすめて見ると、一か八か....
「明暗」より 著者:岡本かの子
質はむしろ好んで来たのであるが、三木雄の教養に対する叔母さんの無頓着さには呆れて
聊か腹立たしくさえ感じた。或時、叔母さんに智子はそれとなく詰った。すると叔母さん....
「河童小僧」より 著者:岡本綺堂
う事。 因みに記すも古めかしいが、右の溜池界隈には猶一種の怪談があって、これも
聊か前の内藤家に関係があるから、併せてここにお噺し申そう、慶応三年の春も暮れて、....