聖水[語句情報] »
聖水
「聖水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖水の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしの」より 著者:芥川竜之介
、端正に過ぎる結果、むしろ険《けん》のあるくらいである。
女はさも珍らしそうに
聖水盤《せいすいばん》や祈祷机を見ながら、怯《お》ず怯《お》ず堂の奥へ歩み寄った....
「顔」より 著者:宮本百合子
見事な花束とを聖壇に捧げた。 教父は至極懇ろであった。 丁寧にフランツの頭に
聖水を灌《そそ》ぎ「主の忠実なる僕、ハンス・ゲオルグ・ヨーストの一家に恵深き幸運....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
でけがしてしまうのだ。そうだ、そうだ、一緒に祈ろう。一緒に教会へ行って、入り口の
聖水に指をひたそう。おれたちのあとから来た者は、みんなその毒のために死んでしまう....
「木の十字架」より 著者:堀辰雄
ると、もう彼女に話しかけようともせず、又自分を彼女に気づかせようともしない。彼は
聖水を戴いて、虔《つつ》ましく十字を切り、そのまま教会を出ていってしまうのである....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ここにいる。汚れたる娼婦! 血と黄金を吸うやつ!」 それから彼は死骸と棺の上に
聖水をふりかけて、その上に
聖水の刷毛をもって十字を切りました。哀れなるクラリモン....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
―(もとよりいよいよの場合にはそうしてやるとみずから誓っていたが)――その悪魔を
聖水の中に浸してやろうと心からつとめていた。ルールドの聖母やパドヴァの聖アントニ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
たの棺を繩でゆわえて、穴におろします。牧師が祈祷《きとう》をとなえ、十字を切り、
聖水をまき、そして行ってしまいます。私はメティエンヌ爺さんと二人きりになります。....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
薄くあからめて伏目がちな娘たちの腰に腕をまいて親しそうに押し合っています。また、
聖水の近くには、真紅の袴をはいて、レースのついている胸衣をつけた農家の女たちが、....
「決闘」より 著者:神西清
隊が歌う、子供達が喚く、鶉が啼く、雲雀が声を張りあげる。……行列がとまる。会衆に
聖水を振りかけるのだ。……また動き出す。やがて跪まずいて雨乞いをする。それから食....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
とになった。スタンダールの「赤と黒」のジュリアン・ソレルは、郷里を飛びだすとき、
聖水盤の血を見たり、偶然、ある男の死刑執行の新聞記事を読んだりする。それらはみな....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
しい顔であると思われるのだったが、はッきり思い出すことは出来なかった。それがこの
聖水かけの老人の心をくるしめだしたので、彼は自分の衰えた記憶を助けてもらう積りで....
「ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
た。 『いいや、これはもう』と、彼女は考える、――『どうあっても明日になったら、
聖水をベッドに振りかけるよりほかに手がないわ。なにしろこうして、尋常一様でない変....