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聖護院
「聖護院〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聖護院の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
い空をいよいよ暗く見せるような糺《ただす》の森が、眼のさきに遠く横たわっていた。
聖護院《しょうごいん》の森ももう夏らしい若葉の黒い影に掩われていた。ほととぎすで....
「身投げ救助業」より 著者:菊池寛
人たちには、二里も三里も歩く余裕はなかった。それでたいていは首を括《くく》った。
聖護院の森だとか、糺《ただす》の森などには、椎の実を拾う子供が、宙にぶらさがって....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
院の前へ抜けて、平安神社の方へ暗い坂道を降りて行った。そして岡崎の公園堂の横から
聖護院へ出て、神楽坂を登って秀英塾へ帰った。大学の時計台が十時を指していた。義務....
「食魔」より 著者:岡本かの子
。彼はその椽に大の字なりに寝て満腹の腹を撫でさすりながらうとうとしかける。智恩院
聖護院の昼鐘が、まだ鳴り止まない。夏霞棚引きかけ、眼を細めてでもいるような和み方....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
辰爺さん宅の岩公が麻布聯隊に入営する。
寸志の一包と、吾れながら見事に出来た
聖護院大根を三本|提げて、挨拶に行く。禾場には祝入営の旗が五本も威勢よく立って、....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
らいたいと云う人があるぞな……」
「へえ……どんなひとですか?」
「実家は京都の
聖護院《しょうごいん》の煎餅《せんべい》屋でな、あととりやけど、今こっちい来て市....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
げに見える東山の、円らの姿は薄墨よりも淡く、霞の奥所にまどろんでおれば、知恩院、
聖護院、勧修寺あたりの、寺々の僧侶たちも稚子たちも、安らかにまどろんでいることで....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
前をもらいたいと云う人があるぞな……。」 「へえ……どんな男!」 「実家は京都の
聖護院の煎餅屋でな、あととりやけど、今こっちい来て市役所へ務めておるがな……いゝ....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
古白君と連立って帰郷し、帰路大阪へ立寄って文楽を一緒に聞いた事もあった。 余は
聖護院の化物屋敷という仇名のある家に下宿していた。その頃は吉田町にさえ下宿らしい....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
五毛、含水炭素七分四厘、繊維一分一厘等にて殆ど九割は水分なり。 ○食用大根は京都
聖護院産および名古屋宮重および方領産を良しとす。上等品にて蛋白質一分八厘、含水炭....
「法然行伝」より 著者:中里介山
けれども、信仰の心少しも動かず、専修の勤めを怠りなく一生を終った人である。 十三
聖護院無品親王《しょうごいんむほんしんのう》(静恵)が御違例の時、医療の術を尽さ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、挑んでいた。その体を見て、助九郎にも、初めて分ったのである。 大峰の者か、
聖護院派か、見知らぬ山伏だが、年ごろ四十前後の男で、鉄のような五体は、修験の行に....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
師賢、四条|隆資、洞院ノ実世、伊達ノ三位遊雅、平ノ成輔、日野|資朝。 僧では、
聖護院ノ法印玄基。ほか数名。 また武士側は、足助次郎|重成、多治見国長、土岐左....
「山の人生」より 著者:柳田国男
底の村に、今では五鬼何という苗字の家が五軒あり、いわゆる山上参りの先達職を世襲し
聖護院の法親王御登山の案内役をもって、一代の眉目としておりました。吉野の下市の町....