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「聞分け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

聞分けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ながら、童部《わらべ》の傍《かたわら》へ歩みよって、 「さても御主《おぬし》は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ。そう温和《おとな》しくして居《お》れば、....
新生」より 著者:島崎藤村
目の男の児を引取って養おうと言ってくれたこともあった。しかし、頑是《がんぜ》なく聞分けのない子供は一週間と友人の家に居つかなかった。結局岸本は二人の子供を手許《....
三狂人」より 著者:大阪圭吉
。けれどもそんな時患者の方は、急に口をつぐんでいつも教えられたように院長の言葉を聞分けようとでもするのか、妙な上眼を使いながらのそりのそりと尻込みするのだった。....
食魔」より 著者:岡本かの子
がこういう唄を唄ったことを一度も鼈四郎は聞いたことはなかった。覚束ない節を強いて聞分けてみると、それは子守唄だった。「ねんころりよ、ねんころりねんころり」 鼈....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
、朝飯欲しそうな顔付をした。 「廻って来い」 と亭主が言うと、馬は主人の言葉を聞分けて、ぐるりと一度小屋の内を廻った。 「もう一度――」 と復た亭主が馬の鼻....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
にいる時は、汝は主殺の罪に落るのみならず、飯島の家は改易となるは当然、此の道理を聞分けて疾く参れ」 孝「殿様、どんな事がございましょうとも此の場は退きません、仮....
南地心中」より 著者:泉鏡花
やら、堪忍しておくれや。」 とて、はじめて、はらはらと落涙した。 絶入る耳に聞分けて、納得したか、一度は頷いたが、 「私は、私は、御寮人、生命が惜いと申しま....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仙台の親分――仏の親分様」 わめく声は明らかに聞きとれるようになりました。 「聞分けのねえ奴等だ」 立つ時に子分共にあれほど言い置いて来たのに、なまじ心配に....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
ておりますだけで、お話はすべて原書の儘にしてお聞きに入れますから、宜しく其方でお聞分けを願います。金森家の瓦解に成りましてから、多く家来も有りましたが皆散り/\....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ざいます、殿様にお目にかかって、その申しわけがお聞き申してえんでございます」 「聞分けのない者共だ、強《し》いて左様なことを申すと為めにならん」 「そんなことを....
狼疾記」より 著者:中島敦
何度も同じ事を繰返すのだから、解りにくいこと夥《おびただ》しい。しかし、辛抱強く聞分けてその意味を拾い、それを普通の言葉に直して見ると、その時M氏の洩らした感懐....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
けてくれよ」 と両手を合せて頼みました。 二十五 無心の熊もお町の言葉を聞分けしか、児を抱いたまゝころりと寝た様子でござります。お町は漸く安堵して、其の....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
と私に思わせた。 私は毎日顔を剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた。頬にシャボンの泡のついた、見あきた自分の顔が鏡に映って....
深川の唄」より 著者:永井荷風
んでいた。阿呆陀羅経を聞き飽きた参詣戻りの人たちが三人四人立止る砂利の上の足音を聞分けて、盲目の男は懐中《ふところ》に入れた樫《かし》のばちを取り出し、ちょっと....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
の音サラ/\/\と聞えまするが、物音の思うように聞えんのは、余念が有るゆえに音を聞分けることが出来ませんので、草葉ですだく虫には種々有りまするが一緒に啼いて居り....