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「聴く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

聴くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
私の父と母」より 著者:有島武郎
に一向進歩しないようであった。いったい私の家は音楽に対する趣味は貧弱で、私なども聴くことは好きであるが、それに十分の理解を持ちえないのは、一生の大損失だと思っている。....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
たないであろう。これこそは愛が直接に人間に与えた愛子だといっていい。立派な音楽は聴く人を凡ての地上の羈絆から切り放す。人はその前に気化して直ちに運命の本流に流れ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
し出して退屈をさせるにも及ばぬことと、年寄だけに気が届いたので、案のごとく判事は聴く耳を立てたのである。 「おお、どうかしたか、本当に容子の佳い女だよ。」 「は....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
話して見ることに致しますが、その前にちょっと申上げて置きたいのは、それ等の祈願を聴く場合の私の気持でございます。ただぼんやりしていたのでは聴き漏しがありますので....
狂女」より 著者:秋田滋
誰かがどこかであの狂女をつかまえて、彼女の口からどこのどういう人間かと云うことを聴くことも出来ないので、病院に収容したままになっているのではあるまいか。しかし、....
取舵」より 著者:泉鏡花
舌を懲さんとて、学生は物をも言わで拳を挙げぬ。 「謝ッた謝ッた。これから真面目に聴く。よし、見ると赤飯だ。それは解ッた。」 「そこで……」 「食ったのか。」 「....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
リボーの店に入る。 一八一二年 二月 サー・デビーの講演を聴く。 一八一三年 三月 一日 王立協会の助手となる。 同 十月 ....
親ごころ」より 著者:秋田滋
色の癖まで、彼はいちいち承知していた。石ただみのうえをこつこつと歩いて来る跫音を聴くだけで、もう誰が来たのか、ちゃんと解るようになってしまった。 見なれない顔....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
げろうの姿ばかりは、独り寝すると思ったのに―― 請う、自惚にも、出過ぎるにも、聴くことを許されよ。田舎武士は、でんぐり返って、自分が、石段を熊の上へ転げて落ち....
式部小路」より 著者:泉鏡花
対し、生殺与奪の権を握れる、はたかれ神聖なる記者として、その意見に服し、その説に聴くこと十余年。いまだこの日のごときを知らなかった。三面|艶書の記者の言、何ぞ、....
甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
なにものの所為たるを知るべからざれども、空中に一種奇怪の声ありて、明らかにこれを聴くことを得べし。しかして、その声はあたかも人の口笛のごとき響きにて、よく五|音....
迷信解」より 著者:井上円了
筮の用は、その右をとるべきか左をとるべきか猶予して決せざる場合に、その判断を天に聴く心得にて、筮竹の上に考うるにあるのじゃ。しかして、そのことも一国一家の大事に....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
目下春期にして、椿花桃花を見ると同時に藤花蕣花を見、昼間蝉吟を聞きて、夜中虫声を聴くもまた奇ならずや。食事に多く米を用い、米のスープあり、またササギを食す。酒は....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
本職だ。』 船『本職が何時も敵はないんですもの。』 お茶屋主人の好く釣ること、聴く毎に嘆賞すべきことのみにて、釣聖の名あるも空しからざるを知りぬ。 船『私ども....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
欧州戦史の研究を志し、北野中将(当時大尉)と共同して戦史課のオットー中佐の講義を聴くことにした。同中佐は最初陸大で学生にでも講義する要領で問題等を出して来たが、....