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「聴力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

聴力の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
龍子の隣りに席をとった彼は消音ピストルを発射して巧みにごまかした。ところが龍子の聴力は余程恢復していたので、とうとう龍子に犯行を感付かれた。そこで彼は殺意を生じ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
に教わったとおりに、電灯が消えたので、面白がっていた。 電灯が消えると、俄かに聴力が鋭敏になったのだった。いままで聞こえなかった半鐘の音が、サイレンに交って、....
水仙」より 著者:太宰治
いさい声を出させたり、一時間も二時間も、しつこく続けて注文して、いろいろさまざま聴力をためしてみるので、お客様たちは閉口して、このごろは、あんまりたずねて来なく....
厄年と etc.」より 著者:寺田寅彦
で反対の方向から聞こえるように思われた。不思議だと思って懐中時計の音で左右の耳の聴力を試験してみると、左の耳が振動数の多い音波に対して著しく鈍感になっている事が....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ゞけて、ねむたい時に、その場で寝てしまえばいゝのである。あのときの夥しい妄想や、聴力が一時的に失われたことや、運動神経まで弛緩してしまったことに比較すれば、現在....
審判」より 著者:カフカフランツ
に、どうしてなったのですか?』門番は、男がすでに臨終にあるのを知り、薄らいでゆく聴力に届くように、大声でわめいた。『ここではほかの誰もが入れてもらえなかったのさ....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
っとその男のほうを見た。男は、将校が指さしたとき、頭を垂れ、何かを聞こうとして、聴力をことごとく緊張させていた。ところが、厚ぼったく結び合わされた唇の動きは、ど....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
ことに左の耳、つまり僕のつんぼが始まり出した方の耳がそうだ。しかし今までのところ聴力は少しも治っていない。いっそう悪くならなかったともいい切れないのだ。――腹の....