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聴許
「聴許〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聴許の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
顔を見ながら、
「とても暇にはなりませんよ。クレマンソオはどうしても、僕の辞職を
聴許《ちょうきょ》してくれませんからね。」
新田は俊助と顔を見合せたが、そこに....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
重罪じゃ。それらのことも入道より彼にとくと申し含《ふく》められい」 「早速の御|
聴許《ちょうきょ》、それがしも共どもにお礼申し上げまする」と、信西も眉を開いて、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
、僕は司法官になるにはあまりに人間臭が強かったのであった。 ようやく雁金検事の
聴許を得て、僕はホッとした気持で外に出た。春の夜とはいえ、今夜も前日に続いて、ま....
「鳥羽伏見の戦」より 著者:菊池寛
、春嶽をして譲歩せしめた。 岩倉説勝を占めて、その翌日慶喜に対し、将軍職辞退の
聴許があり、更に退官納地を奉請するように、諭されることになった。 此の結果に対....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、それから京都に出て、直ちに白河家に参候し神祇伯資訓卿に謁し祗役の上申をしてその
聴許を得、同家の地方用人を命ぜられた。彼が京都にとどまる間、交わりを結んだのは福....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
の第二十一年は明治十二年である。十月十五日保は学問修行のため職を辞し、二十八日に
聴許せられた。これは慶応義塾に入って英語を学ばんがためである。 これより先保は....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ぎょう》が起ころうとした時、彼は辞職を申出た。けれども多年の功労の後なので、辞職
聴許はむずかしかろうし、居据《いすわ》りを懇願せられることだろうと、ひそかに期待....
「『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
京都に流言が盛んに起こった。 ――将軍より上奏する所の条約一条、朝廷においてご
聴許ない時は、大老らは承久の故事を追い、鳳輦を海島に遷し奉るか、さもなくば主上を....
「三国志」より 著者:吉川英治
両者の言に、張魯も意をうごかされて、 「よろしかろう。疾く準備にかかれ」と、
聴許した。 かくて、漢中の兵馬が、ひそかに、蜀をうかがっているとき、その蜀は今....
「三国志」より 著者:吉川英治
しましょう。どうかほかの先輩にお命じ下さい」 陸遜はいくたびも辞したが、孫権は
聴許せず、馬一頭、錦二段、酒肴を贈って、 「はや赴け」と、餞別した。 ぜひなく....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
お心をわずらわせましたが、評定衆一同、ほぼ意見もひとつに、まとまりましたので、御
聴許を仰ぎたく、伺候いたしましてござりまする」 「お。それはよかった。して、どん....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
納言さまにお目通りを得、仰せには、はかろうてやる、お沙汰を待てとのこと。まずは御
聴許あるものとぞんぜられます」 了現の返事であった。 大納言のつかさは「天下....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いという少年が来た。会って仔細を聞くと、 「父の仇討を願い出ましたるところ、幸い
聴許されて、明日某所で勝負を致すことに相成りました。ついては、必勝の太刀筋を御伝....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
、 「何とぞ、お怒りを解かれて、小寺家の跡目を、その遺子に相続なすべきことを、ご
聴許下しおかれますように」 と、再三願い出たが、どうしても信長の許すところとな....
「古い暦」より 著者:長谷川時雨
く、真剣に、腕組みをして、じっと聞いてくださっていて、暫く黙してのち、何も彼もお
聴許《ゆるし》になった。 その先生も、もう世にはおわさない。思えば、どの先生に....