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聴診器
「聴診器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
聴診器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
上に鼻目金《はなめがね》をかけた河童が一匹、僕のそばへひざまずきながら、僕の胸へ
聴診器を当てていました。その河童は僕が目をあいたのを見ると、僕に「静かに」という....
「奈々子」より 著者:伊藤左千夫
》、二語《にご》簡単な挨拶をしながら診察にかかった。しかし診察は無造作であった。
聴診器を三、四か所胸にあてがってみた後、瞳を見、眼瞼《まぶた》を見、それから形ば....
「青服の男」より 著者:甲賀三郎
で来た町の寺本医師は死体を一眼見ていった。 それから眼を引っくり返して見たり、
聴診器を当てたり、綿密に調べてから、 「狭心症だ。若いのに可哀想に――大分|以前....
「斜陽」より 著者:太宰治
えて、それをお座敷に持って行ったら、もうその間に御診察もおすみの様子で、老先生は
聴診器をだらしなく頸飾りみたいに肩にひっかけたまま、お座敷の廊下の籐椅子に腰をか....
「海底都市」より 著者:海野十三
けたのです」 「おや、そうかね。だが、誰も医師らしい人は見えなかったし、僕の胸に
聴診器《ちょうしんき》があてられたおぼえもないが……」 「あれは廊下の両側の壁の....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
いうのは……。われわれの診断によると、これはもう死んでいるのだ。心臓の音を顕微音
聴診器できいても、全く無音だ。死んでしまっているものを、どこへ持っていこうと心配....
「火星兵団」より 著者:海野十三
さいラッパのようなものがついており、またその胸あての両側からは、お医者さんが使う
聴診器のような管が二本、かなり長くついているのであった。例の小さい声は、確かにこ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
は依然として、長々と寝ていました。医者は一寸暗い顔をしましたが、兄の胸を開いて、
聴診器をあてました。それから瞼をひっくりかえしたり、懐中電灯で瞳孔を照らしていま....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
あん?」 かれはお美代の腕をとって脈をしらべた。それから発病の模様を聞きながら
聴診器を胸にあてたり、眼瞼をひっくりかえしてみたりした、その態度はいかにもおちつ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
いので、窓も一つ開けたまま、小松原は、昼間はその上へ患者を仰臥かせて、内の国手が
聴診器を当てようという、寝台の上。ますます妙なのは蚤の憂更になし。 地方と言っ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
上に咳一つたん一つ出ない。ただ水っぱなだけは始終出ているが。毎週一度くらいは胸に
聴診器をあてて貰うが別に異状はないようだ。不思議なくらいだ。こんなにからだの具合....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
チンを出しなさい」 「ピンセルチン?」 「お前の病院には、ないでしょう。じゃア、
聴診器や体温計はいらないから、メスをだしなさい。お前の悪い血をとってあげる」 ....
「葛根湯」より 著者:橘外男
出しな!」 と叫んだ。 「一体何を上がったんです?」 とこの粗忽しい医者めが
聴診器を当てながら聞くから、 「葛根湯です。先生! あの煎じ薬の葛根湯です。あれ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
する。 『肺の方から来た病人なのですがな。』とハバトフは小声で云うた。『や、私は
聴診器を忘れて来た、直ぐ取って来ますから、ちょっと貴方はここでお待ち下さい。』 ....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
「ちょいと待っていてね」と百合子を残して竹村と部屋を出ると入れ違いに光村博士が
聴診器を首にかけたままで入って来た。百合子は軽く頭を下げてにッと笑った。博士は彼....