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「職掌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

職掌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
葉子から女将に目をやった。 「そうですともさ。下らない、あなた、あれであなたのお職掌《しょくしょう》にでもけちが付いたらほんとうにばかばかしゅうござんすわ。報正....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
日本人は風雅に対して何か特別の魂を持ってるんじゃないかな」 連歌師の中にはまた職掌《しょくしょう》を利用して京都方面から関東へのスパイや連絡係を勤めたものもあ....
夜行巡査」より 著者:泉鏡花
。八円を大事にかけて、世の中に巡査ほどのものはないと澄ましているのが妙だ。あまり職掌を重んじて、苛酷《かこく》だ、思い遣《や》りがなさすぎると、評判の悪《わろ》....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
裁の方が怖ろしかったのです。それで、厭々出掛けましたよ。」 「同志とは?」検事は職掌柄聴き咎めた。 「新しい白系の政治結社です。それに、レポとしての私の体には、....
金属人間」より 著者:海野十三
もりらしい。逃がすな」 そういったのは、長戸検事であった。 かれはさすがに、職掌《しょくしょう》がら落ちついていて、あのような大椿事《だいちんじ》のときにも....
四次元漂流」より 著者:海野十三
をいうことは許されない。ひっくりかえろうと何をしようと幽霊係を命ずる」 「わしの職掌は犯人と取組あいをすることで、幽霊の世話をすることは職掌にないですぞ」 「あ....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
にはまったくでございました。 なお怪しいでございましょう……分けて、旦那方は御職掌で、人一倍、疑り深くいらっしゃいますから。」―― 一言ずつ、呼気を吐くと、....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
りを賑わした。わたしが土産に持って行った東京の菓子を彼はよろこんで食った。 「御職掌ですからいろいろ面白いこともありましょうね。」と、わたしは彼に訊いた。「探偵....
子をつれて」より 著者:葛西善蔵
を練習し給え。練習が少し積んで来ると、それはいろ/\な利益があるがね、先ず僕達の職掌から云うと、非常に看破力が出て来る。……此奴は口では斯んなことを云ってるが腹....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
き理窟なれど小生の職務は学堂庶務会計一切の事宜を弁理するにありと支那流にては申す職掌ゆゑ日曜も祭日も滅茶苦茶に忙がしく、一昨夜なども徹夜していはゆる事宜を弁理候....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
、駐在所の塚田巡査。年の壮い、色の黒い、口鬚の薄い、小作りの男であった。 彼は職掌柄、平生からお杉|婆に就ては注意の眼を配っている処へ、恰もこの騒動を見付けた....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
て居りますから、外の事は何もやらないです。また高等官及び高等僧官等もすべて自分の職掌上の事に追い廻されて居りますから、他の事はどうなって居るかという事も気が付か....
活人形」より 著者:泉鏡花
袂を曳きて、医師は不興気に、「これさ、物を言わしちゃ悪いというのに。「僕は探偵の職掌だ。問わなければならない。「私は医師の義務だから、止めなければなりませぬ。と....
エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
呼ばれて、社寺都邑の掃除夫・井戸掘り・駕輿丁・植木屋などの雑職をつとめ、勿論その職掌上、世間から幾分賤視されてはいたであろうが、決して彼らのみが特別に穢れたもの....
「エタ」名義考」より 著者:喜田貞吉
に雇われる様になり、しかもなお依然エッタの名で呼ばれていたとしたならば、その名が職掌の類似からして、他のキヨメすなわち掃除人足や、河原に小屋住まいをしている河原....