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「肉体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
蒙れる悪名は多けれども、分つて三と為すことを得べし。 「その一は文弱也。文弱とは肉体の力よりも精神の力を重んずるを言ふ。 「その二は軽佻《けいてう》浮薄也。軽佻....
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
挙げ、僅《わず》かに苦しみを紛《まぎ》らせていた。しかし彼を悩ませたものは必しも肉体的苦痛ばかりではなかった。彼はお芳の泊っている間は多少の慰めを受けた代りにお....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
》としてどこからか溢《あふ》れて来る。彼はそのすさまじい勢いを恐れながら、自分の肉体の力が万一それに耐《た》えられなくなる場合を気づかった。そうして、かたく筆を....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
を御話しなければ、ちと御会得《ごえとく》が参らないかも存じませんが、妻は不幸にも肉体的に欠陥のある女でございました。(以下八十二行省略)………そこで私はその時ま....
首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
る声には、ただ唸り声と云う以上に、もう少し複雑な意味がある。と云うのは、彼は独り肉体的の苦痛のためにのみ、呻吟《しんぎん》していたのではない。精神的な苦痛のため....
女体」より 著者:芥川竜之介
でも凝固《こりかた》まったように動かなかった。――楊は、虱になって始めて、細君の肉体の美しさを、如実に観ずる事が出来たのである。 しかし、芸術の士にとって、虱....
おしの」より 著者:芥川竜之介
うに頷《うなず》いて見せた。女は霊魂《れいこん》の助かりを求めに来たのではない。肉体の助かりを求めに来たのである。しかしそれは咎《とが》めずとも好《よ》い。肉体....
寒さ」より 著者:芥川竜之介
らだ》たしさを感じた。就中《なかんずく》海軍の将校たちの大声に何か話しているのは肉体的に不快だった。彼は二本目の「朝日」に火をつけ、プラットフォオムの先へ歩いて....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
取るのは何の尺度に依《よ》ったのであろう? より大きい快を選んだのである。しかし肉体的快不快と精神的快不快とは同一の尺度に依らぬ筈《はず》である。いや、この二つ....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
れるとすれば、僕の両親や姉のことも忘れていたいと思っている。が、特にその日だけは肉体的に弱っていたせいか、春先の午後の日の光の中に黒ずんだ石塔を眺めながら、一体....
歯車」より 著者:芥川竜之介
妄想狂の瑞典人だった。しかも彼の名はストリントベルグだった。僕は彼とすれ違う時、肉体的に何かこたえるのを感じた。 この往来は僅かに二三町だった。が、その二三町....
」より 著者:秋田滋
わたくしはその女を愛しておりました。一口に愛していたと申しましても、わたくしは、肉体的な愛慾とか、あるいはまた尋常一と通りの精神的な愛情、そのような通り一遍の気....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
な気持になることもあった。だが私は、整頓するということを考えただけで、精神的にも肉体的にも疲労を感じてしまうので、私にはこの厭わしい仕事に手をつける勇気がなかっ....
初雪」より 著者:秋田滋
ったように冷たい屋敷の空気がいよいよ辛くなって来た。人間は齢を重ねるにつれてその肉体から温かみが失せてゆくものだが、それと同じように、この古色蒼然たる屋敷も、幾....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
がらだった。競走や闘鶏にはいつでも第一位を占めた。権勢というものは田舎ではつねに肉体的な力があるものが獲得するものだが、彼もその権勢をもって、なにか争いがあれば....