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肉体労働
「肉体労働〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肉体労働の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
労働者です。わたくし達は、一晩のうちに、何里という道を歩くのです。人力車夫と同じ
肉体労働者です。真冬でも、ぐっしょり汗をかきますわ」 ああ、その汗……と、木崎....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
が)の農耕地に大きな穴をあけたそうだ。 身体の調子は頗《すこぶ》る良いのだが、
肉体労働が少し過ぎるらしい。夜、蚊帳《かや》の下のベッドに横になると、背中が歯痛....
「今日の文化の諸問題」より 著者:宮本百合子
らの文化に矛盾が現れて来た。労働と消費とがそれぞれに違った階級に属していること、
肉体労働と精神労働とが極端に分裂していること、労働の極端な専門化、都会と農村との....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
だろうか。家庭教師、通訳、翻訳その他の知的労働の範囲から、生活の必要は学生たちを
肉体労働へ追いたてている。東大の職業を求めている学生の三六パーセントは、
肉体労働....
「黄色な顔」より 著者:ドイルアーサー・コナン
男は、滅多に、身体を鍛えるために運動などをする男ではなかった。が、彼よりはげしい
肉体労働に堪え得る人間はほとんどなかったし、また確かに彼は、彼と同体量の拳闘家と....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
絞殺の跡を認めることができた。 男である。五尺四五寸の普通の体格をしているが、
肉体労働をしている人間ではなさそうだ。年齢はハッキリは分らないが、二十以下ではな....
「地方文化運動報告」より 著者:中井正一
策と村民の団結のために、封建遺制の底に沈湎している彼等に理論を説く事は、なかばは
肉体労働的なつもりでいなければならない。しかし各地各様の相貌をもって立上りつつあ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
れなかつた。 あちこちへ頼んである就職口もなかなかラチがあかぬので、思いきつて
肉体労働でもしようかと思つている。父は、まあ、そう急ぐなと言い、たゞなにかしたい....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
の心得などもあり、謡の味なども知っていたからであった。 お品は一人子で十九歳、
肉体労働をするところから、体は発達していたが、心持ちはほんのねんねえであった。一....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
わりますから。しかし、違うことは、それだけで違う。男の場合でもそうです。例えば、
肉体労働者と精神労働者は声が非常に違う。これは教養によっても声が鍛えられるという....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
数の人間に生活資料と衣住の材料とを与えるものであり、これを与えられる者の中には、
肉体労働をせずに生活する者もあろうし、また土地から得られる原料を人間の欲望満足に....
「私の生活」より 著者:種田山頭火
へ木炭を載せかけた七輪を煽ぎ立てる。米を洗う、味噌を摺る。冬の水は冷たい、だから
肉体労働をしたことのない私の手はヒビだらけだ。ドテラ姿で、古扇子で七輪を煽いでい....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
は書物を贈ってあげたのである。その少年は両親がなく、昼は十二、三貫の綿糸をかつぐ
肉体労働に従事し、夜は夜間高校の一学年に通学していて、読書が唯一の友だといってい....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
さなくていい。いわばブローカー業である。ひどい労働で疲れ切っていた私は、いくぶん
肉体労働にはうんざりしていた。 石炭屋は大阪の安治川あたりにかたまっていたので....