肉叉[語句情報] »
肉叉
「肉叉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肉叉の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
で、額に仕立てたミュンヘン麦酒《ビール》の広告写真を仰ぎながら、肉刀《ナイフ》と
肉叉《フォーク》を凄《すさ》まじく闘かわした数度《すど》の記憶さえ有《も》ってい....
「明暗」より 著者:夏目漱石
紳士の体面に関わるとでも云うのか」
原は刻んだサラドをハムの上へ載せて、それを
肉叉《フォーク》で突き差した手を止《や》めた。
「どうぞお構いなく」
津田が軽....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
った、かすりで揃の、袷と筒袖の羽織を着せた、四ツばかりの男の児に、極めて上手な、
肉叉と小刀の扱い振で、肉を切って皿へ取分けてやる、盛装した貴婦人があった。 見....
「家」より 著者:島崎藤村
へえ、久し振で田舎の御馳走に成るかナ」 こんなことを言って、細く瘠せた左の手で
肉叉や匙を持添えながら食った。宗蔵は箸が持てなかった。で、こういうものを買って宛....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
それと一緒に俄かに空腹を感じて来たので、そこにあった黒|麺麭を左手に掴み、右手で
肉叉を使ってハムエッグスを掬いながら、野獣のように噛じり、頬張り、且つ呑み込んだ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
したのに、ズキリと脚がついた処は、大江山の精進日の尾頭ほどある、ピカピカと小刀、
肉叉、これが見事に光るので、呆れて見ていると、あがりにくくば、取分けて、で、折返....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
わせて、食卓布をひろげた。一方では、子息のピータア・クラチットが馬鈴薯の鍋の中に
肉叉を突込んだ。そして、恐ろしく大きな襯衣(この日の祝儀として、ボブが彼の子息に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
つ不平を言ってるマグロアールとに、パンの切れを牛乳につけるためには、匙《さじ》も
肉叉《フォーク》もいらなければまた木で作ったそんなものもいらないということを、快....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
しようと思っていたんです……取引の上のことはともかく、おおっぴらに城陽亭へ入って
肉叉《ホーク》をつかったり、独逸商館《ドイツしょうかん》の理髪床で頭髪を刈ったり....
「犂氏の友情」より 著者:久生十蘭
ている最中で、こちらも火急の場合だったが、石亭先生の弱りかたがあまりひどいので、
肉叉《フゥルシェット》を持ったまま先生のほうへ近づいて行った。 「先生、どうしま....