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「肉縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肉縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
のあたりはやや寂しいが、鼻の高い、口もとのきっと引き締まった、さすがに争われない肉縁の証拠を外記とよく似た男らしい顔にもっていた。質素な家風と見え、鼠の狭布《さ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
Kのおじさんのところへ奔らせた。わたしはその時まだ十二であった。Kのおじさんは、肉縁の叔父ではない。父が明治以前から交際しているので、わたしは稚い時からこの人を....
」より 著者:徳田秋声
た。そうしていつかは行き違いに死に訣れて行かなければならぬ、親とか子とか孫とかの肉縁の愛着の強い力を考えずにはいられなかった。 七十一 刺身だとか、....
死者の書」より 著者:折口信夫
居る父の心尽しだったと見えて、二巻の女手の写経らしい物が出て来た。姫にとっては、肉縁はないが、曾祖母にも当る橘夫人の法華経、又其|御胎にいらせられる――筋から申....
野槌の百」より 著者:吉川英治
そうともよ。わしの子じゃ、刀鍛冶の子じゃ。家はねえでも、わしにゃ、子があるぞよ」肉縁の血を相容れないべつな嬰児はおしげの肌をはなれて、泣きぬいていた。おしげは、....
無宿人国記」より 著者:吉川英治
ろうが」 「――つまり、俺たちを、召抱えたいというのか」 「まあ、そんなものだ。肉縁の者を捨てて、脱藩してくれというのだから」 「それで、五年後には帰参させて、....