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肉迫
「肉迫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肉迫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
返えされた。だがウラル号とその乗組員は、すこしもひるむ色を見せず、執拗に城塞への
肉迫をくりかえした。 「この次起ったら七回目だぜ。少々こたえるね」 ドレゴが遂....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ルヨウニカイテミタイ」‥‥山が地上から空にもれあがる‥‥それはすばらしい自然への
肉迫を表現した言葉だ。言葉の中にしみ渡ったこの力は、軽く対象を見て過ごす微温な心....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
あった。これはよく知られたことである。それでここにはただ、自然科学のすぐ近くまで
肉迫していたと思われるかの大哲学者ハーバート・スペンサーの前記の所説(六九頁参照....
「疑問の金塊」より 著者:海野十三
とか云えよ」 「黙っていちゃ、駄目じゃないか」 二人の刑事はジリジリと左右から
肉迫してきた。相手の眼はらんらんと輝いた。私を大きな獲物と見込んで、どうしても物....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
していて、最初船長がそれを発見けた時には、もうその船は鯱のような素早さで、鯨群に
肉迫していた。 隼丸は、あわてて速度を落す。幸い向うは、獲物に気をとられて、こ....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
軍の突進隊は後方から切断された訳だ。 此の時正行の手兵僅かに三百。なおも果敢な
肉迫戦を続けて行く中、流石の師直の本陣もさっと左右に靡いた。踴躍して飛び込むと、....
「闘争」より 著者:小酒井不木
時、たしかに僕は受太刀だった。すると狩尾君は『毛利君如何です』と皮肉な口調で僕に
肉迫して来た。その時、僕は『人間について直接実験を行わない限り、君の説に服するこ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
現ワシタノデアル。第十号ハ頗《すこぶ》ル野心ニ燃エタ霊魂ダッタ。第十号ハ人間界ニ
肉迫《にくはく》シ、ソシテ遂ニ人間ノ霊魂ヲ捉《とら》エルニ至ッタ。ソノ択《えら》....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
てあった。どういうわけですかね、説明をして貰いたい」 検事はじりじりと家政婦に
肉迫する。 「そのピストルは、わたくしの部屋のどこに隠してあったんでしょうか。全....
「地球要塞」より 著者:海野十三
は電報だった。 それを読むと、米連艦隊は、いま日本を最後の目標として、南方から
肉迫せんとしているところだし、他方欧弗同盟は、アジア大陸の日本を北及西から攻撃せ....
「イプセン百年祭講演」より 著者:久保栄
ております。では、そういう彼が、どうして当時最も社会の注目の的となった時事問題に
肉迫していったかと申しますと、彼は非常な新聞愛読者だったそうであります。当時は、....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
化政策の張本人としての責を引いて挂冠したが、潮の如くに押寄せると民論は益々政府に
肉迫し、易水剣を按ずる壮士は慷慨激越して物情|洶々、帝都は今にも革命の巷とならん....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
王はいった。満場、息を呑んでひっそりとなったなかを、彼女は、つとマリイ夫人の前に
肉迫した。「ああ、夫人よ。あなたの感想は? わたしには短すぎて似合わないじゃない....
「広告」より 著者:伊丹万作
書の中に、子規以来始めて「俳句」を見た。 もつと遠慮なくいえば芭蕉以後、芭蕉に
肉迫せんとする気魄を見た。 私には詩はわからない。なぜなら私は散文的な人間であ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、血、 あ、蒼白い月光、たちまち、 薄らぐ霧、 海獣、海獣、海獣、
肉迫、乱闘、乱噬、 ぐわう、ぐわう、がおかお、 わわわわ、わおわおわ....