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「肌合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肌合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
もあった。 三四郎の実家は、東京にあった。かなり裕福な商家であったが、次男坊で肌合の変っていた三四郎は、W大学の英文科を卒えると、教師になって軽々諸国行脚の途....
食魔」より 著者:岡本かの子
の仲間に割り込んだ。彼の高飛車と粗雑はさすがに、神経のこまかいインテリ青年たちと肌合いの合わないものがあった。彼は彼等を吹き靡け、煙に巻いたつもりでも最後に、沈....
河明り」より 著者:岡本かの子
の事に詳しいと思った」 私は苦笑したが、この爛漫とした娘の性質に交った好学的な肌合いを感じ、それがこの娘に対する私の敬愛のような気持ちにもなった。 「あなた男....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
りでなく、篤胤の武学本論を読んで武技の必要をも感じ、一刀流の剣法を習得したという肌合の人である。古学というものもまだ伊那の谷にはなかったころに行商しながら道を伝....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
すのさ」 又「そんな事は度々聞いたが、最早二度と再び来ないが、田舎者には彼アいう肌合な気象だから、肌は許さぬとかいう見識が有るから、お前が来ても迚も買通せぬから....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
》にはならなかったろう。氏郷が利家と仲好く、利家は好い人物であり、氏郷と家康とは肌合が合わぬのであった。然様いうことを知らぬような寐惚《ねぼ》けた秀吉では無い。....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
職?」 と聞いたのは、吾が夫と中村という人とは他の教官達とは全く出が異っていて、肌合の職人風のところが引装わしてもどこかで出る、それは学校なんぞというものとは映....
貧乏」より 著者:幸田露伴
って男らしく、娘にはいかがなれど浮世の鹹味を嘗めて来た女には好かるべきところある肌合なリ。あたりを片付け鉄瓶に湯も沸らせ、火鉢も拭いてしまいたる女房おとま、片膝....
金銭無情」より 著者:坂口安吾
ひ、最上先生のテストに及第したのも亦そこを見込まれてのことだ。 オコウちやんと肌合が違ふから、小娘に派手にやられてきり廻されて何かと言はれると腹を立て、余波は....
ある日の経験」より 著者:寺田寅彦
のかかった、少し大きい花瓶が目についた。これも粗末ではあるが、鼠色がかった白釉の肌合も、鈍重な下膨れの輪郭も、何となく落ちついていい気持がするので、試しに代価を....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
川|贔負の人であって剣道も能く出来た豪傑、武士道と侠客肌を一緒につき混ぜたような肌合いの人物で、この気性で、時勢を見て貿易商になっているのであるから、なかなか、....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
目十指の認めて居るところでございます。なるほど酸いも甘いも咬み分けたというような肌合の人には、馬琴の小説は野暮くさいでもありましょうし、また清い水も濁った水も併....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
語ったそうです。 そんな風ですから、田の草を取っている在所の娘さん達とは自然と肌合いも違いましょうし、その上に両方とも江戸者同士ですから、六三郎とも調子が合っ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
らないでも二葉亭は小説家型ではなかった。文人風の洒脱な風流|気も通人気取の嫌味な肌合もなかった。が、同時に政治家型の辺幅や衒気や倨傲やニコポンは薬にしたくもなか....
雷門以北」より 著者:久保田万太郎
のはみんな地方人の立身したもので、いくら学問や財産やすぐれた手腕はあっても、その肌合や趣味になるとからきし低級でお話にならないというのである。『紳士にして「お茶....