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肌色
「肌色〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肌色の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「熊の出る開墾地」より 著者:佐左木俊郎
ているために、春になると最早《もはや》、顔が果物のように黄色を帯びて来て、人間の
肌色を失っているのだった。 「こんなにまでして稼いだら、郷里《くに》の方にいたっ....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ニュームのつゆ杓子《しゃくし》 拾銭。
御飯杓子 参銭。
鼻紙一束 弐拾銭。
肌色美顔水 弐拾八銭。
御神酒 弐拾五銭。 一合。
引越し蕎麦《そば》 参拾....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
スカートだった。その下に長くのびた形のいい脚があった。二本とも揃っていた。うすい
肌色の長靴下をはいている。そして靴は短靴。スポーツ好みの皮とズックでできているあ....
「海底都市」より 著者:海野十三
。 すると僕は気分が急に悪くなった。見ると自分の足が小さく縮《ちじ》んでいく。
肌色がわるくなる。――どうやら僕はある器械が出している磁場《じば》の中にいるらし....
「死者の書」より 著者:折口信夫
は」と思った時に、自分の顔に触れた袖は袖ではないものであった。枯れ原の冬草の、山
肌色をした小な翼であった。思いがけない声を、尚も出し続けようとする口を、押えよう....
「阿亀」より 著者:豊島与志雄
はなかった。それに、相手の中年の男が、特別に落着払っていた。日焼けではなく元来の
肌色らしい色黒の男で、狭い額のあたりが一際黒くて、憂鬱な影を湛えてるように見え、....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
が高く、体躯が細そりとして、眼の動きが敏活であり、もう四十歳ほどなのに、若々しい
肌色をしていました。そしてこの市井の一未亡人は、各方面につまらない用件を発見する....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
から胴体まで、真白な泥土の肌は、光りを浮べて生々しく輝いていた。 その生々しい
肌色に、千枝子は無心に眼を据えていたが、突然、その眼を大きく見開き、透き通るほど....
「聖女人像」より 著者:豊島与志雄
のだ。然し、洋装の久子と和服姿の久子とは、やはり同一人なのだ。彼女はいつも、濃い
肌色の白粉をつけ、濃いめに口紅をつけている。私は最初、彼女の小麦色の頬と黒い瞳と....
「花ふぶき」より 著者:豊島与志雄
宙に据り、そして頬の肉にはしまりがなくて、今にもにやりと笑いそうだ。不自然なほど
肌色が白い。外を出歩くのが好きで、そろりそろりと、重病人のように、或は足に故障で....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
揶揄的の讃辞ではなかった。 その心配は無用であった。 翌日洋装が届けられた。
肌色と同じ真珠色であった。 それを着て彼女は出かけようとした。 チラリと私の....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
格だ、腕には隆々たる力瘤、胴締まって腰ガッシリ、黒々と胸毛が生えている。そのくせ
肌色皓々と白い。 腕をのばすと釣鐘の龍頭、グッと掴んで引き下ろした。見る間に双....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
ニームのつゆ杓子 拾銭。 御飯杓子 参銭。 花紙一束 弐拾銭。
肌色美顔水 弐拾八銭。 御神酒 弐拾五銭 一合。 引越し蕎麦 ....
「肌色の月」より 著者:久生十蘭
うしたのよ」 「妙な色をしているじゃないの。黄に樺色をまぜたような……粉白粉なら
肌色《オータル》の三番ってとこね」 「
肌色でなんかないわ」 「黄土《おうど》色っ....
「国境」より 著者:黒島伝治
時代の客間と、頽廃的なダンスと、寝醒めの悪い悪夢を呼び戻す。花から取った香水や、
肌色のスメツ白粉や、小指のさきほどの大きさが六ルーブルに価する紅は、集団農場の組....