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「肌衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肌衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
い。 「女! 焼酎を一升ほど持って参れ。なにはともかく手当をしてやろう。襦袢でも肌衣でもよい、巻き巾になりそうなものを沢山持って参れ」 諸事無駄もなく、また手....
古き小画」より 著者:宮本百合子
らよくはあるまいかという考えが、頭に閃いたのであった。然し結局もとどおり、それは肌衣の下にしまったまま、胸当をつけた。母にとっても自分にとっても、その頸飾一つが....
余興」より 著者:森鴎外
面の打水がしてあって、門の内外には人力車がもうきっしり置き列べてある。車夫は白い肌衣一枚のもあれば、上半身全く裸※にしているのもある。手拭で体を拭いて絞っている....
一九二三年夏」より 著者:宮本百合子
○ 七月八日、もうすぐ暑中休暇にもなるのに、時候が逆がえりし、急に単衣に肌衣を重ねても、うすらさむいようになった。 曇った空の下で、茂った梧桐の葉など....
南国太平記」より 著者:直木三十五
時計が、ゆるやかに、鈍く、響き渡った。三人は、暫く、黙っていた。 「わしの、この肌衣を、形見に与えよう。血染めになったのを――」 「はい」 吉之助の声は、顫え....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
のを喰べさせられないが、せめてさっぱりさせてあげようと思って、倒れたときのままの肌衣《シャツ》と靴下をはぎとりにかかった。 黒江氏は、この地球上にどこにも身の....
華やかな罪過」より 著者:平林初之輔
を緋色のリボンで結んで、わざとショールをひろげて肩を出し、アカシアの大きな花束を肌衣の外へはみ出させて、口にもアカシアの花をくわえながら、コケティッシュに腰を振....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
んな役をさせようとなるとなおさらのことである。是が旅館の番頭などなら、メリヤスの肌衣一つでまっぴら御免下さいと、夜具の上げ卸しまでもするか知らぬが、普通の人情で....
平凡な女」より 著者:林芙美子
あんたん》としたものにはしない。良人と別居することや、弁当屋から飯を取ることや、肌衣《はだぎ》を洗濯屋へ出すことで、女の仕事がどんどん運ぶのだったら、私も真似を....