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肖像画
「肖像画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肖像画の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
は苦しかった。僕は黙って巻煙草に火をつけ、壁にかかげた画の一枚に、――従兄自身の
肖像画に遠近法の狂いなどを見つけていた。
「こっちは万歳どころじゃありはしない。....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
》、赤いモロッコ皮の椅子《いす》や長椅子、壁に懸《か》かっているナポレオン一世の
肖像画、彫刻《ほり》のある黒檀《こくたん》の大きな書棚、鏡のついた大理石の煖炉《....
「河童」より 著者:芥川竜之介
》いっぱいに並べた中にトルコ風の長椅子《ながいす》を据《す》え、クラバック自身の
肖像画の下にいつも子どもたちと遊んでいるのです。が、きょうはどうしたのか両腕を胸....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
いけないと云う事もありませんが、――しかしそれは可笑《おか》しいでしょう。」
「
肖像画《しょうぞうが》はあすこにもあるようじゃないか?」
少将は炉《ろ》の上の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
実の幸福に溢《あふ》れすぎているからである。
附記 わたしの甥はレムブラントの
肖像画を買うことを夢みている。しかし彼の小遣いを十円貰うことは夢みていない。これ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
みならず、それは明らかにほんとうの芸術家のみが見うる、そして描きうる深刻な自然の
肖像画だった。 「やっつけたな!」咄嗟に私は少年のままの君の面影を心いっぱいに描....
「親子」より 著者:有島武郎
った。だから彼が赤面しながら紙と鉛筆とを取り上げたのは、そのまま父自身のやくざな
肖像画にも当たるのだ。父は眼鏡の上からいまいましそうに彼の手許をながめやった。そ....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
印刷界を驚倒したメヂチ版の複製画があった。ニコルソンの飄逸な筆に成った現代文豪の
肖像画等があった。新らしいものではあるが、是等は大抵多数に頒つを目的としないで、....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
いないわけではない。そこにはいっていた油絵らしいものが、切りとってあった。それは
肖像画《しょうぞうが》らしかった。 八木君目ざめる 話は、八木のことにも....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
らかになるだろう」 「ええ、それから画などもあるし」 「次手にNさん(姉の夫)の
肖像画も売るか? しかしあれは……」 僕はバラックの壁にかけた、額縁のない一枚....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
シルベナス・トンプソンも伝を書いた。 ファラデーに、ほんとうによく似た写真や、
肖像画は無いといわれている表わし得ないというためなそうだ。 この本に入れてある....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
淋しみとを、幾枚もの画に描き上げた。風景や静物にもすばらしいのはあるが、その女の
肖像画にいたっては神品だというよりほかに言葉がない。 瀬古 おいおいそれは誰の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て再び爰に収録するは二葉亭|四迷の如何なる人であるかを世に紹介するためであって、
肖像画家としての私の技術を示すためではない。かつ私が二葉亭と最も深く往来交互した....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
った。そこは藤原家の仏事を行う部屋で、ぐるりの壁には代々の当主と令夫人との油絵の
肖像画が掲げてあった。公正侯の思いつきであろう、その時代の当主の使用した物品をそ....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
、茂吉が、或る時、窮したあまり、青山の焼け跡の地所を売ることを交渉したり、自分の
肖像画を売ってもらおう、と思って交渉したり、する事を書くつもりであったが、その肝....